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涼しい顔
「涼しい顔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
涼しい顔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
い》、河岸《かし》の丸清《まるせい》の檀那だった。
「しばらくだね。」――露柴は
涼しい顔をしながら、猪口を口へ持って行った。その猪口が空《から》になると、客は隙....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ははははは」 恐らく其の当時、半七老人は幡随院長兵衛の二代目にでもなったような
涼しい顔をして、いい心持そうに反《そ》り返ったのであろうと察せられた。....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
運のいい奴だな。はは、とぼけた面《つら》をするな。平七を身代りにやって、てめえは
涼しい顔をして澄ましていちゃあ、第一に天とう様に済むめえ。伊豆屋の妻吉はどんな調....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
か次の土曜日の夜には、正確に言うと日曜日――三月十八日の午前四時三十分には、もう
涼しい顔をして、あの曲線線路の松林で、その娘の親爺を捕えるべく、例の二人の部下と....
「動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
路丸のような顔をしながら、サルベージ協会の救難船と一緒に、自分の幻を二日も三日も
涼しい顔で探し廻ったんですよ……どうも呆れた次第ですが、……そうして、やがて船舶....
「小田原陣」より 著者:菊池寛
と驚いて居る時、秀吉は既に此処に移転して、「啼たつよ北条山の郭公」と口吟んで、
涼しい顔をして居た。 此れが有名な石垣山の一夜城であって、湯本行のバスの中なん....
「カンカン虫殺人事件」より 著者:大阪圭吉
ないのかね。え? じゃあ仕方がない。僕がその場所を知らしてあげよう。』 喬介は
涼しい顔をして一号|船渠の方へ飛んで行くと、間もなく、今|入渠船の据付作業を終っ....
「共軛回転弾」より 著者:海野十三
たわね。これであの人は、うちの名代燻製料理を吹聴してくれるわね」 と、ルス嬢は
涼しい顔。 「とんでもない。彼奴は油断のならない喰わせ者だよ」 「へえ、喰わせ者....
「火星兵団」より 著者:海野十三
いる。全く困ってしまったよ」
「それは困りましたな」
「おいおい、マルキ。お前が
涼しい顔をしていては困るじゃないか。お前の監督が悪いから、このような命令を聞かな....
「幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
ている有様だった。 ここに和島丸という千五百トンばかりの貨物船が、いま太平洋を
涼しい顔をして、航海してゆく。目的地は南米であり、たくさんの雑貨類をいっぱいに積....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
い。積極的に相手をどしどしぶち殺して、その当時では大金というべき三千円を着服して
涼しい顔をしている。 その友人の又作なる者も同じく貧乏士族であるが、これも金に....
「街の探偵」より 著者:海野十三
後になって、あのときどうしてその爆発が起ると分ったんだと帆村に訊いたところ、彼は
涼しい顔をして、 『まさか君は、時局柄君自身が狙われていることを知らないわけでは....
「大阪の憂鬱」より 著者:織田作之助
に次のような記事が出ているのだ。 「流血の検挙をよそに闇煙草は依然梅田新道にその
涼しい顔をそろへてをり、昨日もまた今日もあの路地を、この街角で演じられた検挙の乱....
「鷺娘」より 著者:大倉燁子
人ばかりだ、まゆみちゃんなんか殺してしまいたい、大事な私の光村博士を横取りして、
涼しい顔をしているんだもの」 「横取り? ウフウフ。君を光らせるために、まゆみが....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
」 「だって、それは?」 「随分、いゝえ、分らない話。――が、あの男のこってす、
涼しい顔で、一寸、えゝ、事務所まで。――と、あなたさま、どなたでいらっしゃいます....