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「淀む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

淀むの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
を置いているにも係わらず、酒井はずッと立って、脊高く車掌台へ出かけて、ここにも立淀む一団の、弥次の上から、大路へ顔を出した……時であった。 主客顛倒、曲者の手....
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
「淵には九つの性質がある。静水をじっと湛えているのも淵だ。流れて来た水のしばらく淀むところも淵だ。底から湧いた水が豊かに溜り、そしてまた流れ出るところも淵だ。滴....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
窓際に進み、他と、間隔る。公子。これより前、姿見を見詰めて、賽の目と宿の数を算え淀む。……この時、うかとしたる体に書を落す。) まだ、誰も上らないか。 侍女一 ....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
、そのせいであろう。あの底知らずの竜の口とか、日射もそこばかりはものの朦朧として淀むあたりに、――微との風もない折から、根なしに浮いた板ながら真直に立っていた白....
縁結び」より 著者:泉鏡花
」 「……困ったねえ。門徒宗でおあんなすったっけが、トばかりじゃ……」 と云い淀むと、堪りかねたか、蒲団の上へ、はっと突俯して泣くのであった。 謙造は目を瞑....
家常茶飯 附・現代思想」より 著者:森鴎外
人らしくなったじゃないか。 モデル。(笑う。)全く詞のはずみで。(間の悪気に言い淀む。) 画家。どうだい。お前は何か稽古なんぞをした事があるのじゃないか。 モデ....
露肆」より 著者:泉鏡花
一月置きになって、大空の星の沈んだ光と、どす赤い灯の影を競いつつ、末は次第に流の淀むように薄く疎にはなるが、やがて町尽れまで断えずに続く…… 宵をちと出遅れて....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
麿の歌にはそういう通俗理窟で解けない歌句が間々あることを知らねばならぬ。ここの「淀むとも」には現在の実感がもっと活きているのである。 この歌も感慨を籠めたもの....
わかれ」より 著者:国木田独歩
らんごとく、岸に近き桜よりは幾千の胡蝶一時に梢を放れ、高く飛び、低く舞う。流れの淀むところは陰暗く、岩を回れば光景瞬間に変じ、河幅急に広まりぬ。底は一面の白砂に....
言語は生きている」より 著者:中井正一
れもが進行している時間、その他の、一つ一つの区切りなのである。進行を止めると、「淀む」「緯、横」となる。それに副って進むと「攀ず」「齢(よ延い)」、それを一つ一....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
あの、先生、おさしつかえはございませんの? ……」と、弦之丞の後ろでちょっと立ち淀む。 「なアに、かまいませんよ。別に気のおけるお客人ではない。先にちょっと診て....