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淀屋
「淀屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
淀屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「仙人」より 著者:芥川竜之介
ていません。ただその医者の庭の松は、ずっと後《あと》までも残っていました。何でも
淀屋辰五郎《よどやたつごろう》は、この松の雪景色を眺めるために、四抱《よかか》え....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
眼にはいった。銀造は素早くそれを拾うと、 「そうだ、これさえあれば逃げられる!」
淀屋橋の方へ通り魔のように走って行きながら、娘のチマ子の顔が頭をかすめ、京都へ行....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
感じたことは知らず、豹一は滑稽なことだが、仕事を与えられた喜びにすっかり興奮して
淀屋橋の方へ歩いて行った。編輯長の前で随分へまなことを言ったことを想えば、どうあ....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
へ行ったついでにしばらく目で米はんを訪ねて見た。米はんはお祖母さんの家を継いで、
淀屋橋の近くで靴屋をしていた。僕はちょうど二十年目で米はんと会った。 「僕誰だか....
「大阪を歩く」より 著者:直木三十五
学であるか――と、いうように、いろいろの知識を、書くのである。 例えば、私は、
淀屋橋に於て、勿論、
淀屋辰五郎を書くであろうが、それからつづく、八幡の仇討は、恐....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
きになって、腰のものを振廻すなよ。だから振られるんだ、遊女持てのしない小道具だ。
淀屋か何か知らないが、黒の合羽張の両提の煙草入、火皿までついてるが、何じゃ、塾じ....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
めると、まだうす暗い頃、大阪の八軒家に着いていた。 大阪には藩の屋敷が中ノ島の
淀屋橋の傍にあるので、一行はそこへ行った。既に知らせてあるから、長屋ながら一つの....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
「両国橋で逢った浪人者!」 「そうよ」と浪人も即座に答えた。 「貴殿が手に入れた
淀屋の独楽を、譲り受けようと掛け合った者よ。……隠すにもあたらぬ宣ってやろう、浪....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
て来た。 「旦那、一隻みつかりました」 「それはご苦労。どこの船だな」 「へい、
淀屋の八|幡丸で」 「あ、そうか、それは有難い。……いいから帰って休んでくれ」 ....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
、まごまごしていたずらに時間を空費しておれば、雪子の空腹は増すばかりだと、小沢は
淀屋橋から地下鉄に乗った。 (作者はここで再び註釈をはさみたい。――即ち、偶然と....
「監獄部屋」より 著者:羽志主水
(二) 現場といっても、丸ノ内のビルジング建築場でも、大阪|
淀屋橋《よどやばし》架換《かけかえ》工事場でも、関門連絡線工事場でも無い。往年《....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
けられて、早忘れていたか……と自分であまり、ぼんやりしていることを恥じ、急いで、
淀屋橋筋を一筋に後宮の貧民窟まで歩いて帰る決心をした。 彼は
淀屋橋筋を、歩きな....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
」 「エエ詰らねえ、明日からは、少し小出しに費いこむこッた」無駄口を叩きながら、
淀屋橋の上にかかると、土佐堀一帯、お蔵屋敷の白壁も見えだして、少しは気強い思いが....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
ずい面をして歩く奴があるもんか。オイ周馬、今夜はおれが奢ろうぜ。松源か、万辰か、
淀屋か」 「どこへでも案内してくれ、少し、飲みながら談判がある」 「おそろしい権....
「わが町」より 著者:織田作之助
ラジオ体操も休まなかった。そして、いつものように俥をひいて出て、偶然通りかかった
淀屋橋の上から、誰やら若い男とボートに乗っている君枝の姿を見つけた。 客を乗せ....