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淑徳
「淑徳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
淑徳の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
「ええ」
「八木さんは雪江さんの学校の先生なの」
「いいえ、先生じゃないけども、
淑徳《しゅくとく》婦人会《ふじんかい》のときに招待して、演説をして頂いたの」
「....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
操をも傷けぬ。双互にただ黙会したのに過ぎないから、乞う、両位の令妹のために、その
淑徳を疑うことなかれ。特に君が母堂の馬丁と不徳の事のごときは、あり触れた野人の風....
「創作家の態度」より 著者:夏目漱石
のがあります。そうかと思うと持参金が欲しいような気分を打ち消して、なにあの令嬢の
淑徳《しゅくとく》を慕うのさとすましきっています。それで偽善でも何でもない、両方....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
ている場合だけの彼女に当て篏まるような種類のものも無くはなかった。もちろん容貌と
淑徳とは別であったが、過去は過去として、後に葉子が仕出来したさまざまの事件にぶつ....
「旅愁」より 著者:横光利一
した。これは一重に明日マルセーユへ現れる御主人のことを、毎日毎日思いつづけられた
淑徳の結果かと存ぜられます。次に一つ、千鶴子さんにお願いします。」
千鶴子は真....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
と少なく」それを憾みとしていたらば、「岡本えい子女史は、高等女学校を卒業して夙に
淑徳才藻のほまれたかく学の窓の筆ずさみに一篇の小説を綴られしときゝ」懇請して発表....
「婦人作家」より 著者:宮本百合子
帖をおいても書いてゆけるものという理由で、文学の仕事は女にふさわしいといった。「
淑徳才藻のほまれたかい」女子が「学びの窓の筆ずさみ」に小説を書くというように考え....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
における天人の羽衣の羽の一枚であったのです。 諸君、私は謹んで、これなる令嬢の
淑徳と貞操を保証いたします。……令嬢は未だかつて一度も私ごときものに、ただ姿さへ....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
じて自分はこの革鞄を開いて片袖は返さぬのである。ただ、天地神明に誓うのは、貴女の
淑徳と貞潔である。自分は生れてより今に及んで、その姿を視たのはわずかに今より前、....
「明治美人伝」より 著者:長谷川時雨
の運命は、明治期においても数奇なる美女の一人といわなければなるまい。 その他|
淑徳《しゅくとく》の高い故伊藤公爵の夫人梅子も前身は馬関《ばかん》の芸妓小梅であ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
分を見棄てるであろうと思った。少年がその時のその意気、その姿、その風情は、たとい
淑徳貞操の現化した女神であっても、なお且つ、一糸|蔽える者なきその身を抱かれて遮....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
とを認め、同時に、女はかかる行いをしてもいかなる点でも社会の地位は下落せず、最も
淑徳なる人達と無差別に交っているのであると、最も明白に述べているのである1)。 ....
「楠公夫人」より 著者:上村松園
、南江備前守正忠の末の妹で、幼い時に父母に訣れ、兄正忠夫妻の教育を享けて成人した
淑徳高い女性である。 それで南江備前守の肖像でも――と探してみたがこれも入手出....