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淡味
「淡味〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
淡味の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
い》たる上戸《じょうご》の酒を称し下戸の牡丹餅《ぼたもち》をもてはやすに異ならず
淡味家はアライを可とし濃味家は口取を佳とす共に真味を知る者にあらず争《いか》でか....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
「お蒸物《むしもの》は?」 「豆腐蒸《とうふむし》と行きましょうか。ごくごくの
淡味《うすあじ》にして、黄身餡《きみあん》をかけてもらいましょう。焼物は、魴※《....
「雪代山女魚」より 著者:佐藤垢石
した風味と、山女魚や岩魚を山径の傍らで俄作りの熊笹の串に刺し、塩をまぶして焙った
淡味とは、ともに異なった環境を心に配して、それぞれ独特の食趣を舌に覚えるのである....
「採峰徘菌愚」より 著者:佐藤垢石
味は河豚の白子の味のようでもあるし、からすみにも似ている。動物の卵巣が持つ共通の
淡味を舌に残して、酒が甚だおいしい。小杯を傾けて論愚、痘鳴を南支へ送った。(一四・一〇・五)....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
条に「咬《カ》ム時ハムクムクスルナリ生ニテモ塩ニ漬ケテモ清水ニ数返洗フベシ其脆ク
淡味香佳ナリ酢未醤《スミショウ》或ハ湯煮ニスレバ却テ硬シテ不可食六七月ノ頃採ルモ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
瓶の芳醇を開けて、ささやかな野の食事が始まる。
その茶料理も、武蔵には、余りに
淡味すぎて、美味いとは思わなかった。彼の肉体は、もっと濃厚な味や脂を欲しているか....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
するに足ると思った。 また、洛外の滝の本坊にいるという隠操の雅人、松花堂昭乗の
淡味な即興風のものにも心をひかれた。沢庵とも深い友達であると聞いて、さらに慕わし....
「三国志」より 著者:吉川英治
晴穏、かみなりも鳴るまいから、ゆるゆる、興を共にしたまえ」 と、いつぞやの清雅
淡味と趣をかえて、その日は、贅美濃厚な盞肴をもって、卓をみたした。 ところへ、....