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淡墨
「淡墨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
淡墨の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
山へ入るにつれて陰鬱に曇っているのに気がついた。窓のつい眼のさきにある山の姿が、
淡墨《うすずみ》で刷《は》いたように、水霧に裹《つつ》まれて、目近《まぢか》の雑....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
》に月はあれども、四面|※※《おうぼつ》として煙《けぶり》の布《し》くがごとく、
淡墨《うすずみ》を流せる森のかなたに、たちまち跫音《あしおと》の響きて、がやがや....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
吹きすさんだ。日曜日の日の暮れぐれに行田から帰って来ると、秩父の連山の上に富士が
淡墨色にはっきりと出ていて、夕日が寒く平野に照っていた。途中で日がまったく暮れて....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
様に靄から浮いて出たり、棚引く煙を紗の帯の如く纏うて見たり、しぶく小雨に見る/\
淡墨の画になったり、梅雨には梟の宿、晴れた夏には真先に蜩の家になったり、雪霽には....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
日本の新聞紙の紙質では、どうも網目版がうまく鮮明に現れにくい。絵を線描のみでなく
淡墨を以て調子づけたりする事も結構だが、どうも鮮明を欠く嫌いがある。最も朝刊の小....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
かえられた。初秋に出る掛物は常に近松の自画自讃ときまっていた。それは鼠色の紙面へ
淡墨を以て団扇を持てる女の夕涼みの略図に俳句が添えてあった。「秋暑し秋また涼し秋....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
えいざん》の上に、真黒な雲がかぶさり、さしも晴れやかに光っていた琵琶湖の湖面が、
淡墨《うすずみ》を流したように黝《くろ》ずんできたのを認めました。 麓の方で、....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
がつったっていた。私は苦笑した。彼女は旅行記念の手帖をみせてくれた。俳句や和歌や
淡墨の絵があった。ひるまで、私と彼女は絵をかいた。彼女は般若の面を荒々しく画いて....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
かにふわふわしたもの、ひとかたまりになって地図のごとくのびてゆくもの、こきものは
淡墨となり、うすきものは白絹となり、疾きものはせつなの光となり、ゆるきものは雲の....
「雪代山女魚」より 著者:佐藤垢石
とし、熊蜂、蜥蜴をも、ひと呑みにする。 口は大きく、歯は鋭い、肌の色は山女魚の
淡墨の地に紫を刷いたような艶があるのに対して、岩魚は暗黄褐色である。ところにより....
「香熊」より 著者:佐藤垢石
、竿を舁いで一人で登って行った。朝は、昧暗から次第に薄明に目ざめて行くのである。
淡墨の霧の底に、瀬音ばかりを響かせていた楢俣沢は、夜が明けると白い河原を渓の両側....
「しゃもじ(杓子)」より 著者:佐藤垢石
。 その途端に、私の眼に映った異形のものがある。路の左側の、桑畑の茂った上に、
淡墨色の空を背景として、しゃもじ形の怪物が、にょろにょろと浮かび上がった。しゃも....
「勝ずば」より 著者:岡本かの子
は高熱に上気して桃色に燃えていたが、眼の縁、口の周り、頬の辺りなど、いつのまにか
淡墨色のくまどりが現われて、大人の女の古びやつれたような表情に見えていた。用を失....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
が、その達筆とあの時代特有な文辞は、なかなか解読にむずかしく、おまけに紙ヤツレや
淡墨の部分も判読するのに困難を極めるが、大体、次のように読まれる。(句点は著者。....
「南画を描く話」より 著者:中谷宇吉郎
しくなってからの話であって、初めに描いて見た頃は、どうにもならないものであった。
淡墨でしかも相当墨を淡くして描く方が有利であることは直《す》ぐ分ったが、それでは....