淡竹[語句情報] » 淡竹

「淡竹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

淡竹の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
に出た。二人は本陣の裏木戸から、隣家の伏見屋の酒蔵について、暗いほど茂った苦竹と淡竹の藪の横へ出た。寺の方へ通う静かな裏道がそこにある。途中で二人はお民を待ち合....
田舎教師」より 著者:田山花袋
なかった。路に沿った長い汚ない溝には、藻や藺や葦の新芽や沢瀉がごたごたと生えて、淡竹の雨をおびた藪がその上におおいかぶさった。雨滴れがばらばら落ちた。 路のほ....
新茶のかおり」より 著者:田山花袋
其頃は門などはもうなく、石垣の間からトカゲがその体を日に光らせて居た。濠の土手に淡竹の藪があって、筍が沢山出た。僕等は袋を母親に拵えて貰って、よく出懸けて行って....
日輪」より 著者:横光利一
。それは兵部の宿禰の命を受けた訶和郎の妹の香取であった。彼女は美しく装いを凝した淡竹色の裳裾を曳きながら、泉の傍へ近寄って水を汲んだ。彼女の肩から辷り落ちた一束....
変災序記」より 著者:田中貢太郎
いので、籐の寝椅子によっかかりながら、ガラス越しに裏崖の草藪の方を見た。漆の木、淡竹、虎杖、姫|日向葵の葉、そうした木草の枝葉が強い風に掻きまわされ、白い縄のよ....
累物語」より 著者:田中貢太郎
門は歩き歩き途の前後に注意していた。その与右衛門の眼には凄味があった。 二人が淡竹の間の径を磧の方におりて土橋にかかったところで、与右衛門は不意に累の荷物に手....