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「淡紅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

淡紅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
生きている腸」より 著者:海野十三
の液になった。 実験第六日目には、ガラス管の中に液体は見えずになり、その代りに淡紅色のガスがもやもやと雲のようにうごいていた。 ガラス管の中には、液のなくな....
振動魔」より 著者:海野十三
帯というものがあったなら、僕は自らそれを締めてその鍵を、呉子女王の胸に懸け、常は淡紅色の垂幕を距てて遙かに三拝九拝し、奴隷の如くに仕えることも決して厭わないであ....
三人の双生児」より 著者:海野十三
なかったが、顔色は透きとおるように白く、捲くれたような小さい唇はほんのちょっぴり淡紅色に染まっているというだけであって、見るからに心臓に故障のあるのが知られた。....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
を生じた。陸羽は青色を茶碗に理想的な色と考えた、青色は茶の緑色を増すが白色は茶を淡紅色にしてまずそうにするから。それは彼が団茶を用いたからであった。その後|宋の....
地球要塞」より 著者:海野十三
つの間にか橙《だいだい》色にかわった。 橙色になったと思っているうちに、今度は淡紅色《たんこうしょく》に変った。――ここに於て、私は万事を察した。 「おい、オ....
太平洋魔城」より 著者:海野十三
は青インキをとかしたように真青であり、山腹に並ぶイギリス人の館の屋根はうつくしい淡紅色であり、そしてギラギラする太陽の直射のもと、街ゆく人たちの帽子も服も靴も、....
不思議なる空間断層」より 著者:海野十三
っているのだ。卓子の上にはスペイン風のグリーンの花瓶が一つ、そして中にはきまって淡紅色のカーネーションが活けてあった。 この部屋はたいへん風変りな作りだった。....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
死顔にお化粧をしてやった。 白蝋の面の上に、香りの高い白粉がのべられ、その上に淡紅色の粉白粉を、彼女の両頬に円らな瞼の上に、しずかに摺りこんだ。そして最後に、....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
出した。 トウン――と、足拍子を踏むと、膝を敷き、落した肩を左から片膚脱いだ、淡紅の薄い肌襦袢に膚が透く。眉をひらき、瞳を澄まして、向直って、 「幹次郎さん。....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
影を素膚に絡うたのでは、よもあるまい。よく似た模様をすらすらと肩|裳へ、腰には、淡紅の伊達巻ばかり。いまの花野の帯は、黒格子を仄に、端が靡いて、婦人は、頬のかか....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
取ろう身構えで、腰を靡娜に振向いた。踏掛けて塗下駄に、模様の雪輪が冷くかかって、淡紅の長襦袢がはらりとこぼれる。 媚しさ、というといえども、お米はおじさんの介....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
屹と胸を緊めた。その姿に似ず、ゆるく、色めかしく、柔かな、背負あげの紗綾形絞りの淡紅色が、ものの打解けたようで可懐しい。 框の障子を、膝をついて開けると、板に....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
うちに、ようようのことで二、三人の水夫が船べりへ出て来て、海の洞にひらめく水神の淡紅色の肩か、楯を持った酔いどれの人馬が波を蹴立てて船と競走するのかを見るような....
決闘場」より 著者:岡本かの子
。が、時折り突き入るように尖ってきらめくこともある。金色の粉を吹いたような産毛が淡紅色の調った顔をうずめて居る。 彼は中背で小肥りの体を、金髪に調和する褐色の....
」より 著者:岡本かの子
両端には、殊にも巨大な桜が枝を張り、それに準じて中背の桜が何十本か整列している。淡紅満開の花の盛り上る梢は、一斉に連なり合って一樹の区切りがつき難い。長く立て廻....