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「淡紫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

淡紫の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
風立ちぬ」より 著者:堀辰雄
る植込みの方へ近づいてゆくと、それらの茂みの上には、あちらにもこちらにも白や黄や淡紫の小さな莟《つぼみ》がもう今にも咲き出しそうになっていた。私はそんな茂みの一....
源氏物語」より 著者:紫式部
行く。非常に美しい。廊のほうへ行くのに中将が供をして行った。この時節にふさわしい淡紫《うすむらさき》の薄物の裳《も》をきれいに結びつけた中将の腰つきが艶《えん》....
源氏物語」より 著者:紫式部
櫃の上で真綿をひろげている若い女房もあった。きれいに染め上がった朽ち葉色の薄物、淡紫のでき上がりのよい打ち絹などが散らかっている。 「なんですこれは、中将の下襲....
源氏物語」より 著者:紫式部
た。うたた寝していたほうの女王は、荒い風の音に驚かされて起き上がった。山吹の色、淡紫などの明るい取り合わせの着物は着ていたが顔はまたことさらに美しく、染めたよう....
源氏物語」より 著者:紫式部
服装のも混じっていたりして、静かに見まわされる空気が作られていた。夫人は柔らかな淡紫などの上に、撫子色の細長をゆるやかに重ねていた。何一つ整然としていぬものもな....
源氏物語」より 著者:紫式部
れいであった。裳は現在では主人のいない家であったから喪の色のも作らなかったため、淡紫のを持たせて車に乗った。姫君がおいでになったなら、宮にこうして迎えられておい....
決闘」より 著者:神西清
荒れ寂びた海辺、堪えがたい炎暑、それにいつ見ても黙々と同じ姿をして永遠に孤独な、淡紫に煙りわたる山々の単調さ――こうしたすべてが彼を憂欝にするのだった。それは彼....
縁談」より 著者:佐藤垢石
る汗に二筋、三筋溶けて、蚯蚓のように赤黒い肌が現われている。低いからだを袂の長い淡紫紅の夏羽織に包んだところは、まるで袋にでも入ったようだ。髪の毛はあかい、手は....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
生ズ和名サワアザミ葉ハ小薊葉ニ似テ岐叉多ク刺モ多シ苗高サ一二尺八九月ニ至テ茎頂ニ淡紫花ヲ開ク一茎一両花其花大ニシテ皆旁ニ向テ鶏首ノ形チニ似タル故ニ鶏項草ト名ク他....
植物知識」より 著者:牧野富太郎
て栽《う》えるとよろしい。種類によっては白花のものもあるが、東京近辺のものはみな淡紫花《たんしか》の品ばかりである。 花には萼《がく》、花弁、雄蕊《ゆうずい》....
黒田如水」より 著者:吉川英治
藤蔓もいつか茂り、しかも短い花の房すら持って咲こうとしている。……そうだ、白藤か淡紫かあの花の咲くまで見ていよう」 陽あたりのわるいせいか、房は垂れているが花....