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淫
「淫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
淫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
れやすいものだから、男女《なんにょ》の情さえ書いてあれば、どんな書物でも、すぐ誨
淫《かいいん》の書にしてしまう。それで自分たちの道徳心が、作者より高い気でいるか....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
心もちが、急に己の目ろみの恐しさを、己の眼の前へ展げて見せた。その間も、あの女の
淫《みだ》りがましい、凋《しお》れた容色の厭らしさが、絶えず己を虐《さいな》んで....
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
鱗《うろこ》を備えしものが、目にこそ見えね、わが耳のほとりに蹲《うずくま》りて、
淫《みだ》らなる恋を囁くにや」と、身ぶるいして申されたり。われ、その一部始終を心....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ご》するに足る能力のあることを示したものである。我我は盗賊、殺戮《さつりく》、姦
淫《かんいん》等に於ても、決して「黄金の島」を探しに来た西班牙人《スペインじん》....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
の、天竺《てんじく》の珍味を降《ふ》らせたかも知らぬ。もっとも食足《くいた》れば
淫《いん》を思うのは、我々凡夫の慣《なら》いじゃから、乳糜を食われた世尊の前へ、....
「或る女」より 著者:有島武郎
時にはただ一入《ひとしお》の心のむなしさが残るばかりだった。葉子は思い余ってまた
淫《みだ》らな満足を求めるために男の中に割ってはいるのだった。しかし男が葉子の目....
「或る女」より 著者:有島武郎
らぬ無邪気な目とも見えた。先天的に男というものを知りぬいてその心を試みようとする
淫婦《いんぷ》の目とも見られない事はなかった。それほどその目は奇怪な無表情の表情....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
のない汚い風はしていたが、その顔付きは割合に整っていて、不思議に男に逼《せま》る
淫蕩《いんとう》な色を湛《たた》えていた。
仁右衛門がこの農場に這入《はい》っ....
「二つの道」より 著者:有島武郎
レットを仰ぐ時、人生の崇高と悲壮とは、深く胸にしみ渡るではないか。昔キリストは姦
淫《かんいん》を犯せる少女を石にて搏《う》たんとしたパリサイ人に対し、汝らのうち....
「星座」より 著者:有島武郎
に紅くなった。斑らに紅くなるのはある女性においては、きわめて醜《みにく》くそして
淫《みだ》らだ。しかしある女性においては、赤子のほかに見出されないような初々《う....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
だ。お前は一方に崇高な告白をしながら、基督のいう意味に於て、正しく盗みをなし、姦
淫をなし、人殺しをなし、偽りの祈祷をなしていたではないか。お前の行いが疚ましくな....
「橋」より 著者:池谷信三郎
ているのか。もしそっとその仮面を、いきなり外してみたならば、女の顔の上に、どんな
淫蕩な多情が、章魚の肢のように揺れていることか。あるいはまた、どんな純情が、夢を....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
の末期――精神的、霊的のものは悉く影を潜めて、所得顔に跋扈するは、ただ酒色と、荒
淫と、悪徳と、劣情……若し汝にしてその実情に接触せんか、初めて闇の魔群の、いかに....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
いる。美音で思い出したが、十軒店にも治郎公なぞと呼んでいた鮨屋が、これも美い声で
淫猥な唄ばかり歌って、好く稲荷鮨を売りに来たものだった。 四 明....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
さ。おれもそう思ってる。 Ｂ 君は何日か――あれは去年かな――おれと一緒に行って
淫売屋から逃げ出した時もそんなことを言った。 Ａ そうだったかね。 Ｂ 君はきっ....