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淫祠
「淫祠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
淫祠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「父」より 著者:太宰治
れるばかりに図々《ずうずう》しい面《つら》の皮千枚張りの詭弁《きべん》、または、
淫祠《いんし》邪教のお筆先、または、ほら吹き山師の救国政治談にさえ堕する危険無し....
「神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
つまり神職もなく、財産、社地も定まらざる廃社同前のもの、また一時流行、運命不定の
淫祠、小祠の類を除き、その他在来の神社を確立せしめんと力《つと》めたるもののごと....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
神に化してしまったのである。 しかし、その布教の本体はと云えば、いつもながら、
淫祠《いんし》邪教にはつきものの催眠宗教であって、わけても、当局の指弾をうけた点....
「新生」より 著者:島崎藤村
死んだジャン・ダアクすら、もう一度仏蘭西人の胸に活《い》きかえりつつあった。彼は
淫祠《いんし》にも等しいような古いカソリックの寺院を多く見た眼でリモオジュのサン....
「白蛇の死」より 著者:海野十三
と又左に折れて、間もなく百坪ばかりの空地へ出る。空地の中央には何んとかいう小さな
淫祠が祀ってあるが、その後の闇の中へお由の屍体を下して、二人は初めてほっとした。....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
格も従来より適切に規定しようというのが、この法案である。 なるほどこれによって
淫祠邪教というような、宗教の信用を失墜させそうなものは征伐出来るだろうから、宗教....
「一つの思考実験」より 著者:寺田寅彦
のを報道して一般の用心と当局の注意を喚起したい。 社会の風教を乱すような邪教|
淫祠、いかがわしい医療方法や薬剤、科学の仮面をかぶった非科学的無価値の発明や発見....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
たん》とし、邦家発達の次第を攷《かんが》うるに大必要なる古社を滅却し、一夜造りの
淫祠を昇格し、その余弊今に除かれず、大いに人心|蕩乱《とうらん》、気風壊敗を致す....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
ください!」こう讃美する声なのであった。 ここは邪教の道場なのであった。ここは
淫祠の祭壇なのであった。 おお大江戸の真ん中に、こんな邪教があろうとは! と....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
画は貧民窟ではあったが、また罪悪の巣でもあり、悪漢や無頼漢の根城なのでもあった。
淫祠邪教の存在地なるものは、表面人助けが行なわれるが、裡面においては惨忍極まる、....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
の道に志ざし、常に文武の教に励み、熊沢蕃山その他を顧問にして、藩政の改革に努め、
淫祠を毀ち、学黌を設け、領内にて遊女稼業まかりならぬ。芝居興行禁制とまで、堅く出....
「親鸞」より 著者:三木清
の生の「所逼」、災害、無常等の生の窮迫を怖れて、現在の欲楽を求めるところから邪神
淫祠が生ずるのである。 偶像崇拝や庶物崇拝は人間が人間以下の邪神や自然物の奴....
「寺じまの記」より 著者:永井荷風
今見れば、奉納の小さな幟《のぼり》が紅白|幾流《いくなが》れともなく立っている。
淫祠《いんし》の興隆は時勢の力もこれを阻止することが出来ないと見える。 行手《....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
わが一家《いっか》の興味と共に苦しみ、また得意と共に悲哀を見るのである。 第二
淫祠 裏町を行こう、横道を歩もう。かくの如く私が好んで日和下駄《ひよりげた》を....
「〔付〕唯物論研究に就て(戸坂潤手記)」より 著者:戸坂潤
・誤解されている。インテリ層に於ける「宗教復興」、より知識水準の低い階層に於ける
淫祠邪教の流行等はそのわが国に於ける最近のその実例である。政府当局は又その上に立....