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淫靡
「淫靡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
淫靡の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
しても間違っている。裸体は希臘《ギリシャ》、羅馬《ローマ》の遺風が文芸復興時代の
淫靡《いんび》の風《ふう》に誘われてから流行《はや》りだしたもので、希臘人や、羅....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
を学者たちに説明してもらうと大変な八釜《やかま》しいことになる。 第一は風俗の
淫靡から来るものであるが、これは別としても都会人は減るのが当り前だそうである。 ....
「老中の眼鏡」より 著者:佐々木味津三
橋を渡って、筋違御門を抜けた土手沿いに、求める屋台の灯がまた六つ見えた。闇に咲く
淫靡な女達が、不思議な繁昌を見せているあの柳原土手である、それゆえにこそ、くぐり....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
のはますます怪奇に、繊細なものはますます繊細だ。とがった神経質と世紀末の機知とが
淫靡で頽廃した色彩に混じ合っている。 この江戸出府のはじめのころには、半蔵はよ....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
巷利欲の世であるということがだんだんわかってきた。 それに、田舎は存外|猥褻で
淫靡で不潔であるということもわかってきた。人々の噂話にもそんなことが多い。やれ、....
「煩悩秘文書」より 著者:林不忘
をかえして、またじっと、登って行く千浪の背後《うしろ》すがたを凝視《みつ》める。
淫靡《いんび》な視線が、千浪の腰、脚のあたりに、絡むように吸いついて。 大兵の....
「悟浄出世」より 著者:中島敦
、あの痺《しび》れるような歓喜! 常に新しいあの陶酔!」と女怪は酔ったように※妖
淫靡《えんよういんび》な眼を細くして叫んだ。 「貴方《あなた》はお気の毒ながらた....
「天馬」より 著者:金史良
の気持で朝鮮へ引き上げたのである。それからは朝鮮語で奇を衒《てら》うような、或は
淫靡《いんび》を極めたような文章を綴って低俗な雑誌へ方々売り込みに歩いた。信玄袋....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
うに立っている運命判断の女。ルーレット球ころがし。その間にけばけばしい色彩で壁に
淫靡な裸体女と踏み躙られた黒人を描いて、思わせ振りな暗い入口が五六段の階段の上に....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
《ぎょかい》を友として怖れないことを知っている。茂太郎の不安は、繁昌と、人気と、
淫靡《いんび》と、喧噪《けんそう》の室内に置くことで、山海と曠野に放し置くことの....
「文学以前」より 著者:豊島与志雄
酷使しながら、金属工業や機織工業などで繁栄を極め、さまざまな偶像を崇拝して風習は
淫靡頽廃していた。ユダヤの地ゲデラの町でさえ、さまざまな偶像の社殿が立ち並んでい....
「陳情書」より 著者:西尾正
ありまして、そうなると否でも応でも自分から働かねばならず、幸か不幸か中学時代から
淫靡《いんび》な文学に耽溺《たんでき》して居た御蔭で芸が身を助くるとでも謂《い》....
「妾宅」より 著者:永井荷風
り生きて物いう浮世絵と見て楽しんでいるのである。明治の女子教育と関係なき賤業婦の
淫靡《いんび》なる生活によって、爛熟した過去の文明の遠い※《ささや》きを聞こうと....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
律もない証拠だ。身体を養う食物には不衛生的の者が多く、精神を養う言論文章に不潔|
淫靡《いんび》なる者が多いようでは国民の心身次第に腐敗してしまうね。アハハ実に困....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
」 「ああ、ああ。」 「ああ、ああだ。」 「はあ、へえだ。」 初めはその諧謔、
淫靡、精根、類の無い饒舌の珍らしさに、後から後からと黒山のように群って、盛んに拍....