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深い
「深い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
深いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
尾を垂れた上、シルク・ハットを仰向《あおむ》けにかぶっている。この綱や猿の後ろは
深い暗のあるばかり。
7
この玩具屋のある仲店の片側。....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
何かの手術だったが、――」
和田は老酒《ラオチュ》をぐいとやってから、妙に考え
深い目つきになった。
「しかしあの女は面白いやつだ。」
「惚《ほ》れたかね?」
....
「影」より 著者:芥川竜之介
くなった松脂《まつやに》の※《におい》を嗅ぎながら、こう云う寂しい闇の中に、注意
深い歩みを運んでいた。
その内に彼はふと足を止めると、不審そうに行く手を透《す....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
顔が、気にならないようになっていたのです。
「と云うと私がひどく邪推《じゃすい》
深いように聞えますが、これはその若い男の浅黒い顔だちが、妙に私の反感を買ったから....
「河童」より 著者:芥川竜之介
であろう。――「出て行け! この悪党めが! 貴様も莫迦《ばか》な、嫉妬《しっと》
深い、猥褻《わいせつ》な、ずうずうしい、うぬぼれきった、残酷な、虫のいい動物なん....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
得ない事情が起ったとしても、それも知らさずに別れるには、彼等二人の間柄は、余りに
深い馴染《なじ》みだった。では男の身の上に、不慮の大変でも襲《おそ》って来たのか....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
染まっていない。これは山里村《やまざとむら》居《い》つきの農夫、憐《あわれ》みの
深いじょあん孫七《まごしち》は、とうにこの童女の額へ、ばぷちずものおん水を注いだ....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
十五六であろう。額の狭《せま》い、顴骨《かんこつ》の突き出た、頬鬚《ほおひげ》の
深い男である。床《ゆか》の上に引きずった着物は「あびと」と称《とな》える僧衣らし....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
になっていますし、在来の恋愛小説には満足しないようになっていますから、……もっと
深い人間性に根ざした、真面目《まじめ》な恋愛小説を書いて頂きたいのです。
保吉....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
、非難どころではない。上役《うわやく》や同僚は未亡人《びぼうじん》常子にいずれも
深い同情を表《ひょう》した。
同仁《どうじん》病院長|山井博士《やまいはかせ》....
「墓」より 著者:秋田滋
更によく知りますと、彼女に会いたい、会いたいという思いだけが、一種名状しがたい、
深い、云い知れぬ興奮で、わたくしの心を揺ぶるのでした。自分の掌のなかに彼女の手を....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
、ウォーラストンの誤解も分明になって、結局ただ一つの反対票した。 デビーの妬み
深いのは、健康を損してから一層ひどくなった。この後といえどもファラデーのデビーを....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
つめ、あたかも心のなかで何か疑いごとを思案しているようであった。彼はいわゆる用心
深い人で、笑うのはしっかりした理由があるときだけ、すなわち、理窟と法則とにかなっ....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
た。ただ、夫婦のなかには、どうしたことか、子宝がなかった。二人にとっては、それが
深いなげきの種だった。ところが、その子宝もようやく授かった。男の子だったので、ジ....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
供も不憫には不憫だども、勿体ねい着物っこを着てるでねいか?」 と平生から少し慾の
深い伊作は、赤児を包んでいる美しい布を解いて見ました。すると、赤児の腹のところに....