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「深む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

深むの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旅愁」より 著者:横光利一
ニヤンの方へ廻って行くに随い、薄霧の中に赤旗を靡びかせた行列がだんだん増して夜の深むにつれ熱気が街に溢れて来るのだった。 人の心がパリ祭だといって騒ぐのに....
日輪」より 著者:横光利一
て、酒宴と舞踏は深まった。威勢良き群衆は合唱から叫喚へ変って来た。そうして、夜の深むにつれて、彼らの騒ぎは叫喚から呻吟へと落ちて来ると、次第に光りを失う篝火と一....
小説 円朝」より 著者:正岡容
していた。ところどころ崩れた土塀の破れから、おそい一八《いちはつ》が花ひらいて、深むらさきに濡れていた。 どこかで鳩の声がきこえた。 筋向うの、大きな濡れ仏....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ここ笠置の行宮には、早馬の報が頻々だったのだ。 大自然は、そ知らぬ顔だ。 秋深む移りのほかは、雲の行きかい、山の姿、きのうも今日も、変りはない。 だが人間....
私本太平記」より 著者:吉川英治
「いいえ、私たちは、忍ばねばなりません。ただ流離の帝のご心中はいかばかりぞと、山深むほど、何やら胸がつまって来るばかりです」 「したが、ここは早や都の人目も遠い....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
次の越後路巡りを、まず長岡へ向う。 白浪の足あと凄し朝の月 ぬす人もいづこに秋を深むらん 借着して旅籠立ちけり秋の風 車中、なんだかまだ、おかしさにたえず、時....