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深厚
「深厚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
深厚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二つの道」より 著者:有島武郎
いに人でなくなることは前にも言ったとおりである。
一二
今でもハムレットが
深厚な同情をもって読まれるのは、ハムレットがこのディレンマの上に立って迷いぬいた....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
て竜猛生きいる内は王死なず、汝王たるを望まば所用ありとて竜猛にその頭を求めよ慈悲
深厚な菩薩故決して辞まぬだろと勧めた、穉子寺に詣り母の教えのごとく如来の前生身を....
「野分」より 著者:夏目漱石
語字典を参考して、首をひねっているような閑人《ひまじん》じゃありません。円熟して
深厚な趣味を体して、人間の万事を臆面《おくめん》なく取り捌《さば》いたり、感得し....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
女性の一人《ひとり》に口をきいた。一人を二へん見た。この世界は三四郎にとって最も
深厚な世界である。この世界は鼻の先にある。ただ近づき難い。近づき難い点において、....
「創作家の態度」より 著者:夏目漱石
事ができると云っても差《さ》し支《つかえ》ないでありましょう。それで著書の趣味が
深厚博大であればあるほど、
深厚博大の趣味があらわれる訳になりますから、えらい人が....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
共にしたるものと信ぜらる。よりて茲に本官は戦死認定通知書を送付し、その忠烈に対し
深厚なる敬意を表するものなり。 昭和十×年五月十三日 聯合艦隊司令長官....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
、しかも病苦と戦いながら、この法理学上の大産物を公刊したのは、吾人が夫人に対して
深厚なる感謝を捧げざるを得ないところである。この挙たるや、真にサラー夫人が、その....
「鼻の表現」より 著者:夢野久作
ある。顔面表現の大立物である。 しかも顔面表現のみならず、その人の全身の表現と
深厚なる関係を持っているものである。もしこの鼻の表現と鼻以外のすべての表情とが一....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
われらの友情にザクリと突き立てた。その大胆なる態度と、純潔なる思索的良心には私は
深厚なる尊敬を捧げる。僕だって君との接触についてこの問題に想到するときどれほど小....
「連環記」より 著者:幸田露伴
問目二十七条を撰して、宋の南湖の知礼師に就いて之を質そうとした。知礼は当時|学解
深厚を以て称されたものであったろう。此事は今詳しく語り得ぬが、恵心ほどの人が、何....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
知れり、常識なき痴情《ちじょう》に溺《おぼ》れたりという莫《なか》れ、妾が良人の
深厚《しんこう》なる愛は、かつて少しも衰えざりし、彼は妾と同棲せるがために数万《....
「二・二六事件に就て」より 著者:河合栄治郎
、〈残酷〉なる銃剣の下に仆れたる斎藤内大臣、高橋大蔵大臣、渡辺教育総監に対して、
深厚なる弔意を表示すべき義務を感ずる。浜口|雄幸、井上準之助、犬養毅等数年来暴力....
「十日の菊」より 著者:永井荷風
よそ芸術の制作には観察と同情が必要である。描かんとする人物に対して、著作者の同情
深厚ならざるときはその制作は必ず潤《うるお》いなき諷刺に堕《お》ち、小説中の人物....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
れを知っている。私は日本人が日本の国土に生ずる特有の植物に対して最少《もすこ》し
深厚なる愛情を持っていたなら、たとえ西洋文明を模倣するにしても今日の如く故国の風....
「炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
て、自分のこの小編が柳田君の読物から思い出して執筆するに至ったことにつき、ここに
深厚の敬意を同君に表する。否ただにこればかりではない、自分の過去現在未来にわたっ....