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「深浅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

深浅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
おぎん」より 著者:芥川竜之介
ゃか》の説いた教によれば、我々人間の霊魂《アニマ》は、その罪の軽重《けいちょう》深浅に従い、あるいは小鳥となり、あるいは牛となり、あるいはまた樹木となるそうであ....
真田幸村」より 著者:菊池寛
その後から、越前勢の大軍が粛々と進んだ。 が、まだ暗かったので、越前勢は河の深浅に迷い、畔に佇むもの多かった。大将修理亮は「河幅こそ広けれ、いと浅し」と言っ....
出家とその弟子」より 著者:倉田百三
知応殿のお考えは間違いでございますか。 親鸞 いや間違いではない。人によって業の深浅があるのだ。法悦の相続できる人は恵まれた人だ。私はそのような人を祝福する。あ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
仏国軍艦デュソレッキ号の乗組員は艦長の指揮により、士官両人の付き添いで、堺港内の深浅を測量していたところ、土州兵のためにその挙動を疑われ、にわかに岸からの狙撃を....
太平洋魔城」より 著者:海野十三
が、いよいよ日本攻略の行動を起したとき、日本近海の海底の状態、潮流の工合、港湾の深浅等、君のすばらしい海洋学の力を借りたいところがいたるところにあるのだ。どうだ....
油絵新技法」より 著者:小出楢重
勿論、広い意味において、美の終点、芸術の終点ともいうべきものは、何に限らず高下深浅の別こそあれ、ほぼ一様な域に到るものかも知れないが、芸術の材料とその技法の差....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
ならず、油絵や日本画の大作を拝見する時、その手足を見ると、その画家の技量と修業の深浅を知る事が出来るとさえ私は思っている。かく雑然と書いていると長くなるので擱筆....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
立つようになる。結局仕事の優劣の差は、勤労に対する覚悟の如何と業務に対する熱意の深浅によるものとして、私はこの点から小学卒業者を採用し、年少のうちから養成するこ....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
るいは低き新建築などを営んではならないのである。 資本はその商売の種類と奥行の深浅によって一様に定め難いものであるが、おおむね間口の広狭に従って、資本の多寡を....
次郎物語」より 著者:下村湖人
めていった。 「ところで、一口に仲よくするといっても、仲のよさにも、種類があり、深浅の差がある。そして、どうかすると、仲のよいままに、みんなが堕落するということ....
酒渇記」より 著者:佐藤垢石
う。 一同顔が揃うと宴席に勅令が降った。大杯の内側に墨で線を描き、増さず減ぜず深浅平均。これを二十杯ずつ回し飲みにして、雄を称せよ、という御意であったのである....
かもじの美術家」より 著者:神西清
顔に色々さまざまな「慰めある表情」をあたえて、その飛び去った魂の幸福な状態の多寡深浅を、あらわすことに妙を得ていたのだ。 この化粧法には幾つかの等級があったが....
松の操美人の生埋」より 著者:宇田川文海
、故に利益の広狭より言えば、素より同日の論に非ず、然れども其の人の感情を動かすの深浅より言えば文章遠く演説に及ばず、且近来速記術世に行われ演説をそのまゝ筆に上し....
俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
食であろうが、女であろうが子供であろうが、仮にも人間と生まれた以上は、その感じの深浅疎密はあるけれども、とにかくそこに一種の共通な感じというものが起こるからして....
新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
前の美妓の写真と今日のモダン美人との顔では美しいということは同じでもその美の味に深浅、渋甘、の大きなへだたりがある。 モダンの美には「静」がない。これは世相の....