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深潭
「深潭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
深潭の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一円本流行の害毒と其裏面談」より 著者:宮武外骨
き、吉川屋畠氏方に籠居して執筆する事となった、楼は鬼斧の断崖に対し、眼下に碧流の
深潭あり、鳥語水声を聴くのみ、加うるに秋涼の好季、其快適いうべからず、此処に淹留....
「ゼーロン」より 著者:牧野信一
うに驚いてハードル跳びを続けて行く奇態な跛馬と、その残酷な馭者との直下の眼下から
深潭《しんたん》のように広漠とした夢魔を堪えていた。――背中の像が生を得て、そし....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
恐い、怖ろしい念いをしながらも、もう一遍後髪を引かれて見たいとおもった小舎の前の
深潭は、浅瀬に変って、水の色も、いやに白っちゃけてしまった。 ここを出立点とし....
「困惑の弁」より 著者:太宰治
惚れもあり、人の制止も聞かばこそ、なに大丈夫、大丈夫だと匹夫の勇、泳げもせぬのに
深潭に飛び込み、たちまち、あっぷあっぷ、眼もあてられぬ有様であった。そのような愚....
「台湾の姿態」より 著者:豊島与志雄
台湾の姿態 豊島与志雄 台湾の印象は、まず山と川から来る。比類ない断崖と
深潭と高峯とを以て成るタコロ峡のことは、ここに云うまい。また、蘇澳から花蓮港に至....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ていった。彼は息を失っていた。神の中へのその墜落に酔っていた。……深淵にして神!
深潭《しんたん》にして神! 存在の火炉! 生命の※風《ひょうふう》! 生の激越の....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
と、三位卿、素早く二の矢をつがえて向うを見た。 山牢のある瘤山の裾は、覗き滝の
深潭から穴吹の渓谷へ落ちてゆく流れと、十数丁にあまる柵が、そこの地域を囲っている....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
上を廻らなければならなかった。其中の一は奥木挽谷の先で、一丈許りの岩壁の下を川が
深潭をなして流れ、水とすれすれの所に辛うじて足の指先が掛るか掛らない位の岩の襞が....