深碧[語句情報] » 深碧

「深碧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

深碧の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旅日記から」より 著者:寺田寅彦
稽の感を少なからず助長するのであった。 船首の突端へ行って海を見おろしていると深碧の水の中に桃紅色の海月が群れになって浮遊している。ずっと深い所に時々大きな魚....
白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
簇して、岩角に立っているのが、色彩が鮮やかで、こんな寒い雪や氷の、磽※な土地も、深碧の空と対映して、熱帯的に見えた。 峰伝いに下って、いよいよ北岳の直下まで来....
死者の書」より 著者:折口信夫
して、又田に立ち暮す日が続いた。 彼岸中日 秋分の夕。朝曇り後晴れて、海のように深碧に凪いだ空に、昼過ぎて、白い雲が頻りにちぎれちぎれに飛んだ。其が門渡る船と見....
北国の人」より 著者:水野葉舟
う。それが、聞いていると、何となく薄暗い冷めたい空の下から、うつらうつらと南国の深碧の空にあこがれて、その花の色、緑葉《みどりは》の香に、心が引き寄せられている....
地上」より 著者:島田清次郎
来ることです。きっと自分がやってみせます。死んでもやってみせます――ああ」と彼は深碧の大空を仰いで、「やらして下さい」と何かに祈るように跪いた。「使命」の感が彼....
春の大方山」より 著者:木暮理太郎
いる。数百羽の小鴨が木の葉のように水面に浮んでいたのは珍らしかった。水は清く色は深碧で、富士北麓の五湖の中では最も幽邃である。しかし日光の湯の湖には及ばない。本....