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深部
「深部〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
深部の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
出すためには必ず多少の努力を要するものであるが、抽き出そうとする能力があまりにも
深部にかくされており、俳優自身もその存在を確信しないような場合には我々の仕事は著....
「甲賀三郎氏に答う」より 著者:夢野久作
美、醜悪美を掲出し、そのグロ味、エロ味の変態美を凄動させ、その結論として、その最
深部に潜在する良心、純情をドン底まで戦慄させ、驚駭させ、失神させなければ満足しな....
「微笑」より 著者:横光利一
ね。僕はもうちょっと生きていたいのですよ。僕はこのごろ、それで眠れないのです。」
深部の人間が揺れ動いて来ている声である。気附いたなと梶は思った。そして、耳をよせ....
「旅愁」より 著者:横光利一
いた。
矢代はフリーゼをかけた千鶴子の髪を首筋で受けとめながら、自分にも分らぬ
深部から鳴り揺れて来る楽しさを感じた。舞台の進行は分っているが、自分らの進行だけ....
「大和路・信濃路」より 著者:堀辰雄
ていると、夕冷えのなかに、その柱だけがまだ温かい。ほんのりと温かい。その太い柱の
深部に滲《し》み込《こ》んだ日の光の温かみがまだ消えやらずに残っているらしい。 ....
「学生と読書」より 著者:倉田百三
るいは物的の研究の報告である。高くは聖書のように、自分の体験した人間のたましいの
深部をあまねく人類に宣伝的に感染させようとしたものから、哲学的の思索、科学的の研....
「『注文の多い料理店』新刊案内」より 著者:宮沢賢治
にそれは、どんなに馬鹿《ばか》げていても、難解《なんかい》でも必《かなら》ず心の
深部《しんぶ》において万人《ばんにん》の共通《きょうつう》である。卑怯《ひきょう....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
に考えていたことだけは、これで破ることが出来たと思います。」 「その代り、病気を
深部に追いこんだことになるかも知れんね。」 「はあ?」 と、大沢はその大きな眼....
「肌色の月」より 著者:久生十蘭
は思ったほどではありません……湖岸と湖棚を終りましたから、午後から標識を入れて最
深部をやります」 「ご苦労さん……夕方までに揚らなかったら、明日からアクア・ラン....
「澪標」より 著者:外村繁
その十一月、私は「上顎腫瘍」という病気で、東京医科歯科大学の病院に入院、放射線の
深部治療を受ける。癌の疑いがあるらしい。しかし私には自覚症状は全くない。「まさか....
「落日の光景」より 著者:外村繁
二年経っても、再発の恐れはあるのか。 一昨昨年、私はある病院に入院し、放射線の
深部治療を受けた。病名は「上顎腫瘍」である。妻の病名が「乳腺腫瘍」であるところか....
「友情に関係あるエッセイ」より 著者:戸坂潤
がら現在の瞬間見えないものに就いては、恐怖などを感じるが、元来直接には現われない
深部の変化については、仮りにそれを心得ていても、殆んど全く鈍感である。私も元来、....
「戦争ジャーナリスト論」より 著者:戸坂潤
約束していると云った方が当っているのだ。 産業・交通・資源・其の他の戦線後方の
深部にまで及ぶ敵対行動、そこから来る戦闘員と非戦闘員との区別の抹殺などは、それが....
「文芸評論の方法について」より 著者:戸坂潤
に拘らず、印象批評というものが横行している限り、そしてこの影響が所謂評論の意外な
深部にまで浸潤している限り、二つはそんなに簡単には分けられない。曲者は所謂印象批....
「姫たちばな」より 著者:室生犀星
を射透されて、呼吸を絶っていた。和泉の国の猟夫は土手下にころがり落ちてこれも胸の
深部に、背にまで鏃が衝き抜かれて、息はすでになくなっていた。番えた一番の矢はほと....