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「深酒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

深酒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
起して死んだ人があるんですって。」私がこういう真意を主人は知って居た。若いうちの深酒で主人は心臓を弱くして居る。水泳は、ずっと前から自分でも禁じて居る。今日にか....
河沙魚」より 著者:林芙美子
が怒《おこ》ってぷりぷりしていると、頻《しき》りに頭をこすりつけてあやまるのだ。深酒をした夜など与平の気持ちは乱れて、かっと眼を開いているまつの前でも与平は千穂....
軍用鼠」より 著者:海野十三
はラジオ体操を聴けば安心して、更にグウグウ睡れるのである。――生憎妖婆は前の晩に深酒をして、寝るときにスイッチをひねっておくことを忘れたので、ラジオ体操が放送さ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
の剣援隊を案内して到着したので、それからというもの、血戦のさいさきを祝い、一同、深酒をあおって、泥のような酔いぶり虹のごとき気焔に昼夜の別なく、今宵も、さっきか....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
か事を始めても、前後がすっかり食い違い、すべてが投げやりになって、いよいよ頻繁に深酒に浸るようになった。だから、もしも、そのころ、やはりいいかげんに老いぼれてい....
生活」より 著者:林芙美子
たちが多い。大変シゲキがある。――酒は飲まない。虫歯が出来たし、胃が弱くなって、深酒《ふかざけ》をすると、翌《あく》る日は一日台なしになってしまう。それでもすら....
野ざらし」より 著者:豊島与志雄
よく融和して、凡そ夫婦というものが愛し合う位の程度には愛し合いました。僕は大した深酒ものまず、道楽もせず、一種の学究者でして、生活が華やかでない代りに、至って真....
都会の幽気」より 著者:豊島与志雄
しい記憶が頭に蘇ってきた。彼奴らにつけられ初めてから或る晩、私は虚勢を張るために深酒をのんで、一二度行ったことのある円窓の家へ、ひょっこりはいっていった。そして....
必要以上のもの」より 著者:豊島与志雄
柄だったので、それで私もK子にはよく逢うことがあった。 その頃から殊に、B君の深酒が、時には自暴自棄かと思われるほどの深酒が初まったとのことである。そして簡単....
ジロリの女」より 著者:坂口安吾
を追い廻しても、悟らざること甚しく、恋いこがれ、邪推し、千々に乱れて、あげくには深酒に浮身をやつす哀れなキリギリスにすぎなかった。 もっとも、色道はこれ本来迷....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
くと、 「ウム。そうか」 由也はうなだれて何か考えこむ様子。その顔色の蒼いのは深酒の宿酔のせいか。まるで彼自身がこわしたようにジッと考えこんでいたが、 「三枝....
決闘」より 著者:神西清
ない嘘の連続に唖然とさせられた。ただもう胸が悪くなった。僕は親友として、なぜそう深酒をするのか、なぜ身分不相応な暮らしをして借金ばかりするのか、なぜ遊んでばかり....
わが工夫せるオジヤ」より 著者:坂口安吾
、胃弱のせいで、むしろ健康を維持することができたのかも知れない。なぜかというと、深酒すると、必ず吐く。ある限度以上には飲めなくなるから、自然のブレーキにめぐまれ....
ヒウザン会とパンの会」より 著者:高村光太郎
次馬がたかって大騒ぎになったことがあった。白羊の眼が悪くなったのは、たぶんこんな深酒が祟っているのだろう。 ○ 「パン」の会の流れから、ある晩吉原へしけ込....
ワーニャ伯父さん」より 著者:神西清
。現にこのとおり、結構酔っぱらいもするしね。まあ大抵ひと月に一度は、こんなふうに深酒をする。そして、酔っぱらったが最後、僕は思いっきりもう、ずうずうしい鉄面皮に....