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深長
「深長〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
深長の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
癖のように言っていたが、その最後の言葉を結ぶ時には、きまって相手の顔をひどく意味
深長に眺めやるのであった。とはいえ、これはなんら謂《いわ》れのあるところではなか....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
はちまちましているが、お公卿《くげ》さまだとて年ごろの男です。のどかな顔に、意味
深長な薄笑いをにったり浮かべると、陰にこもっていいました。 「おいら川越の山育ち....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
ある。頭の悪い記者にも気の付いた条件が三ツ四ツあるが、そのいずれもがなかなか意味
深長である。 老人と子供排斥 文化生活とはどんなものかと、所謂《いわゆる》文化....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
にどうもこのお墨付の、相当したる挨拶というその挨拶の二字くらい、おびただしく意味
深長な文字はない。征夷大将軍が城持ち大名に対って特に挨拶せいとのお声がかかったの....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
った。それに、もっと面白くないことは、ベラン氏夫妻が、互いに手を取り合って、意味
深長な目付をしたことであった。 「僕の惨敗だ。本艇に乗組んでいる者の中で、今度の....
「火薬船」より 著者:海野十三
の世から息を引取っているのだった。船長ノルマンは、ポーニンと顔を見合わせて、意味
深長な目くばせを交わした。 「船長ロローは、上陸したが、なにか用事があって、まだ....
「獏鸚」より 著者:海野十三
きますがな、どうも余り深入りするとよくありませんぜ」 と門衛は改まった顔で意味
深長なことをいった。 「なんだい、深入りなんて?」 「……」彼はこれでも判らない....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
なりながら、身火烈々|身体を焼きて、恍として、茫として、ほとんど無意識に、されど
深長なる意味ありて存するごとく、満身の気を眼にこめて、その瞳をも動かさで、じっと....
「正午の殺人」より 著者:坂口安吾
んですな」 と新聞記者が感服したら、 「私までコッパズカシイからよ」 と意味
深長に微笑した由、さる新聞の報ずるところであった。 木曾はこう証言した。 「僕....
「臨時急行列車の紛失」より 著者:新青年編輯局
ことには見えなかった。が、やがて展開されるべき未曾有の出来事は、その中にきわめて
深長な意義を持っていたのであった。カラタール氏は駅長室に案内された。その間この供....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
を知っているのは、オノブサンと私だけ、ほかの女中は知りません」 と、ツネは意味
深長にシタリ顔をして笑った。三人はすでにオノブサンなる女中には会っているのである....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
らフシギでさア」 伊之吉の小屋をでて、一行は帰途についた。 「伊之吉の話は意味
深長ですね。賀美村へ戻って定助の殺された時の様子をこまかく調べてみると何かが分る....
「犬を連れた奥さん」より 著者:神西清
クなものであるくせに、さもさもこれは色恋などといった沙汰ではない、何かもっと意味
深長なことなのですよと言わんばかりの顔をする連中もある。それからまた、非常な美人....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
んだろうと、私はそう思うんです。」 これはロリー氏が予期していたより以上の意味
深長な言葉であった。「なるほど。」と彼は言った。「だから考えるのも恐しいんだね。....