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深間
「深間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
深間の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
やはりその女は、それから三日ばかりして、錺屋《かざりや》の職人と心中をしていた。
深間《ふかま》になっていた男がほかの女に見かえたので、面当《つらあ》てに誰とでも....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
かったか」 「知ってざます、知ってざます。清吉さんとやらいいなまして、三年越しの
深間だとかでありんした」 「二十三、四の、色の白い、小がらな男ではなかったか」 ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
がら、わたしは恋しているのでござります。さればこそ、悪事を悪事と知って、つい罪の
深間にはいりましたが、江戸錦様はさすがお血統のかただけのものがござります。あのと....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
く、単に文明開化啓蒙と云った調子に、明治の初期に使い慣れたものであろうと思うが(
深間内基『啓蒙修身録』・藤井三郎『啓蒙雑記』・条野伝平『啓蒙地理略』・の如き)、....
「行雲流水」より 著者:坂口安吾
★ 和尚がソノ子の家を訪ねたとき押入れへ隠れた男は、ソノ子と最も
深間へ落ちているウスバカの一人であった。彼はソノ子をつれて三週間の出張旅行を共に....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
白々な嘘であっても、当人だけが騙される妙味、快感を知ることによって、益々孤絶して
深間におちこむ性質のものだ。水戸の怪僧のインチキ性がいかに世人に一目瞭然であって....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
いことをしたと思った。こんなに虚心坦懐に、女にもてなされたり、女を愛したりして、
深間の感情というものをまじえずに、淡々とくらせるのが、ありがたい。ルミ子は魔性と....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
ころがり、最後に再び一丈ほど墜落して、谷川へはまってしまった。 谷の岩と岩の間の
深間のところへスッポリ落ちたのである。 又、死ななかった。一尺でも場所が狂うと....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
った。もっとも侯爵夫人かず子が輪をかけての狂信者で、侯爵夫人にひきずられて次第に
深間へはまったといわれている。 山賀侯爵はその宏荘な久世山の大邸宅をそッくり天....
「裏切り」より 著者:坂口安吾
とかなんとかやってれば、それで結構憂さは忘れられました。 小夜子サンがだんだん
深間へはまりそうになったので、ここにヤブから棒にとんでもないことが突発しました。....
「絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
れから行う折檻の方法が、二種に分れているのであって、枕探しをしたとか、不意の客と
深間になったとか云う場合などは、身体の位置が正常になった時――即ち、頭を上に直立....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
も行って挨拶をし、上尾へ出て来たついでとあって、乾児を連れて山城屋へ行き、この頃
深間になったお山を揚げ、一夜遊んでの帰途であった。 六地蔵の前までやって来た時....
「かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
いて抱えの小露が曙染めを出の座敷に着る雛鶯欲のないところを聞きたしと待ちたりしが
深間ありとのことより離れたる旦那を前年度の穴填めしばし袂を返させんと冬吉がその客....
「夢幻泡影」より 著者:外村繁
たようであった。やがて浅い眠りがやって来る。私と眠りとの、あの快い戯れは、次第に
深間に落ちて行く。妻の低い呻き声が聞こえているようであった。睡魔――しかも私はい....
「啓蒙の現代的意味と役割とについて」より 著者:戸坂潤
化啓蒙と云った調子に、明治の初期に使い慣れたものであろうと推定されると思うが、(
深間内基『啓蒙修身録』、藤井三郎『啓蒙雑記』、条野伝平『啓蒙地理略』、の如き)併....