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混戦
「混戦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
混戦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
典厩隊を援けたため、柿崎隊も後退のやむなきにいたった。又前方で新発田隊と穴山隊の
混戦があったが、穴山隊も死力をつくして激戦した。この時越の本庄、安田、長尾隊は甲....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
あるのを見、大炊頭が真意を疑って、その入城を拒んだ。朋党の乱はその結果であった。
混戦が続いた。大炊頭、耕雲斎、稲右衛門、この三人はそれぞれの立場にあったが、尊攘....
「李陵」より 著者:中島敦
馬兵の追撃に遭《あ》った。徒歩の兵は大部分討たれあるいは捕えられたようだったが、
混戦に乗じて敵の馬を奪った数十人は、その胡馬《こば》に鞭《むち》うって南方へ走っ....
「文壇の趨勢」より 著者:夏目漱石
その時にある程度の同化はどうしても起るべきはずである。文壇がこの期に達した時には
混戦の状態に陥《おち》いる。
混戦の状態に陥ると一騎打の競争よりほかになくなってし....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
そこで六人六方へ分かれ、飛び込んでは叩っ切り、引っ返しては叩っ切る。 全く
混戦となったのである。 月光は益※冴えて来た。四方《あたり》が明るく暈けて来た....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、この三派にもおのおの、盛衰と消長とがあって、或いは合し、或いは離れて、かなりの
混戦があった。力寿は京都にある時、四歳にして家元篠塚文寿の門に入り、十三歳にして....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ら一人を目の敵《かたき》にやって来たなら、まだ始末はいいが――この多勢で入乱れて
混戦となったら手はつけられねえ。 困ったなあ、弱ったなあ、ちぇっ! 米友は歯....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
とは兄弟であることを感じた。国民や観念の闘争の偶然性のために、他日敵味方となって
混戦中に投ぜられるかもしれないが、しかし味方となろうとも敵となろうとも、常に同系....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
穏の下に、ホメロスの描ける巨人の戦いがあり、ミルトンの語れる竜や九頭|蛇《だ》の
混戦があり妖怪の群れがあり、ダンテの言える幻の渦がある。人が皆自己のうちに有し、....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
はなおその中庭のうちになごりをとどめ、その恐ろしい様はなおそこにありありと見え、
混戦の動乱の様はなおそこに化石して残っている。あるいは生きあるいは死ぬる様が彷彿....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
る躊躇《ちゅうちょ》の情も消え失せてしまい、二梃《にちょう》のピストルを手にして
混戦のうちにおどり込んだ。そして第一発でガヴローシュを助け、第二発でクールフェー....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
戦闘の激しい旋風の後に毒気と陥穽《かんせい》との洞窟《どうくつ》がきたのである。
混戦の後に汚水溝渠《おすいこうきょ》がきたのである。ジャン・ヴァルジャンは地獄の....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
フォーカスとしては小林と組になっているから、一層問題にならない。 ところが一大
混戦となり、小林は包まれて出られず、田川がトップをきっていたが、ゴール前の
混戦に....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
閃き! 悲鳴! 怒声! 仆れる音! 逃げつ追いつ、追いつ逃げつする姿! 混乱
混戦の場となったが、この時|宿もいよいよ混乱! 混乱以上に阿鼻叫喚の焦熱地獄とな....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
中に善に傾向する素質(Anlage)はあるけれども悪の方が勝っている。つぎは善悪
混戦の時代である。そのつぎは善が悪に打ち勝って純然たる善の時代となった時をいうの....