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混沌
「混沌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
混沌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
も石にも固るか、とばかり次第に息苦しい。 白昼凝って、尽く太陽の黄なるを包む、
混沌たる雲の凝固とならんず光景。万有あわや死せんとす、と忌わしき使者の早打、しっ....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
我々の人生はこれを芸術的に見れば数限りもない無意味な偶然と、無聊と倦怠と、停滞と
混沌と、平凡にして単調なる、あるいは喧騒にしていとうべきことの無限の繰り返しによ....
「聖書の読方」より 著者:内村鑑三
われ出ざる者なし」とのことである(路加伝八章十七節)、今世は隠微の世である、明暗
混沌の世である、之に反して来世は顕明の世である、善悪判明の世である、故に今世に隠....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
しむには多大の鑑賞力を要する。してみれば欧米の家庭にしばしば見るような色彩形状の
混沌たる間に毎日毎日生きている人たちの風雅な心はさぞかし際限もなく深いものであろ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の館には、所々円天井や曲面の壁や、また気柱を作っているような部分もあるので、僕は
混沌としたものを想像していた。ところが、先刻はあんな澄んだ音が聞えたのだ。外気の....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
ていた。僕はロシアの実情を自分の目で見るとともに、さらにヨーロッパに廻って戦後の
混沌としている社会運動や労働運動の実際をも見たいと思った。 そこへ、突然、その....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
》れ、頭を後の壁につけていたが、その恰好がへんにぎこちなかった。博士はまだ意識|
混沌《こんとん》としているので、あのような恰好をしているのであろうが、両眼を大き....
「大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
ても、未だ人類の想像も及ばなかった大ムーア彗星へは? ムーア彗星の周囲は、まだ
混沌漠々たる濃密な大気に閉ざされていた。すでに、勿論ここから見る太陽は、夜空にき....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
されたあかつきには、それが弱い人間の手によって、当然爆発すべき無形の地、すなわち
混沌たる政界の荒野に投げられなければならないということを、われわれに納得させよう....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
ときの些中に起こるのは、なぜであろうか。と、いくら考えつめていっても、同じような
混沌状態と同じような物狂わしさは、いっかな果てしもなく、ただただ彼女だけが、その....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
検事だけはひとり残って、ぼんやりと海景を眺め暮していた。それは、法水が持ち出した
混沌画の魅力に圧せられて、彼は模索の糸を、絶つことができなかったからである。 ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
もがな。ミルクやクリームの鉢もそなわり、今わたしが数えあげたように、一切がっさい
混沌としており、しかもその真中からは大きな茶わかしが濛々たる湯気をまきあげている....
「褐色の求道」より 著者:岡本かの子
、人間に取ってあまりたいしたものではありません。それよりも生の前、死の後の、あの
混沌とした深い眠り、肉体も精神も完全に交渉を断ったあの深い眠り、この方がどのくら....
「雷同性に富む現代女流画家」より 著者:上村松園
現時の画界は未だ根本の方針が定まっているということは出来ません。あたかも
混沌の時代の感があります。何々式とか何々型とか随分雑多な流派が生まれては消え消え....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
力を充実して、次いで来るべき殲滅戦争を迎うるを得べし。 昭和四年頃はソ連は未だ
混沌たる状態であり、日本の大陸経営を妨げるものは主として米国であった。昭和六年「....