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「混浴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

混浴の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旅日記から」より 著者:寺田寅彦
もあったがそのためにかえってなんの事だかわからなくなるのであった。ヤパンでは男女混浴だというがほんとうかなどと聞いたりした。このいやな老人はまもなく下車する。取....
旅愁」より 著者:横光利一
タイルの縁に寄せ、舞い立つ霧の底でがぼがぼ鳴る湯の音を聞いた。広い山の湯の男女の混浴は隔離した湯よりも、むしろ清浄な山川の匂いが強く肌に染み入り、互に羞らいのな....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
私は入浴をうるさがるが、しかし風呂の味は厭ではない。殊に町の風呂屋は、町内浮世の混浴であるがために、その味は殊に深いものがある。 私は思いついた時勝負で風呂へ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ないに湯治だと言っている四十男、それと家の番頭、雇人、それらが、すべて隔てのない混浴でした。 兵馬が白骨から来たと聞いて、その四十男が、好事《こうず》な眼を向....
丹下左膳」より 著者:林不忘
けおりると、とっつきが風呂場になっていて、ガヤガヤと人声がこもっている。 男女混浴……国貞《くにさだ》画《えが》くとまではいかないが、それでも裸形《らぎょう》....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
、こうおっしゃった。 「しかし、ストリップはつまらんですな。熱海かなんかで、男女混浴の共同ブロへはいる方が、もっと、ええでしなア」 御説の通りである。芸のない....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
には房事の見世物小屋まで堂々公開されたという。女の子のイレズミもはやったし、男女混浴という同権思想も肉体の探究もはやり、忙しく文明開化をとりいれて今にもまさる盛....
猿ヶ京片耳伝説」より 著者:国枝史郎
ていた。 「まあ」 とお蘭は云った。 「それ妾の着物よ。どうするのさ」 男女混浴の湯殿へ、男がはいって来るに不思議はなかったが、その男が、衣裳棚の中へ脱ぎ入....
人生三つの愉しみ」より 著者:坂口安吾
カラの大浴場をはじめ、富者は各自善美をつくした浴室をもち、公共の浴場に於ても男女混浴の酒池肉林は当然のこととなった。ネロの奢侈はローマ市民のものとなり、ローマ帝....
古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
た。――アレキサンドロス大王のすぐ後には、アテーナイに国立浴場ができている。男女混浴の風もはやった。――というようなわけで、やはり東洋がもとなのである。アレキサ....
西航日録」より 著者:井上円了
人民の体貌、衣服等は、中央アジアの風に似たるところ多し。算術に珠算を用い、湯屋は混浴を常とし、寺前に乞食の多き、商品に掛け値の多き、車夫の人を見て賃銭を高下する....
澪標」より 著者:外村繁
わしいとも思う。部屋に通される。二人の相部屋であった。 浴場へ行く。思いがけず混浴である。私が色情を懐かないでは女を見ることができなくなって以来、初めて女性の....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
るまに番台のおやじ、青くなってざくろ口の湯気を見つめた。 安永頃にはもう江戸は混浴禁止になっている。男のくせに大手を振って、女湯へ入ってくるのは、お上の御威光....