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「添寝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

添寝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
犯人」より 著者:太宰治
二階でしょう?」 「あがるぜ。」 姉は、ことしの春に生れた女の子に乳をふくませ添寝《そいね》していた。 「貸してもいいって、兄さんは言っていたんだよ。」 「そ....
業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
を着て行《ゆ》く者はありません、併《しか》しお前が来てから盃をしたばかりで一度も添寝《そいね》をせぬから、それで嫌うのだと思いなさるだろうが、なか/\左様な女狂....
旧主人」より 著者:島崎藤村
捨てた沢菴《たくあん》の尻も昨日の茶殻に交って、簓《ささら》と束藁《たわし》とは添寝でした。眺めては思い、考えては迷い、あちこちと歩いておりますと、急に楽隊の音....
新生」より 著者:島崎藤村
な率直があった。 「さあ、繁ちゃん、お蜜柑もって、おねんねなさい」と節子は子供に添寝する母親のようにして、愚図々々言う繁の頭《つむり》を撫でてやりながら宥《なだ....
食魔」より 著者:岡本かの子
温順しく無邪気で子供のようでもある。何となくいじらしい気持が湧くのを泣かさぬよう添寝をして寝かしつけている子供の上に被けた。彼女は子供のちゃんちゃんこと着ものの....
わが町」より 著者:織田作之助
て来ると、婆さんは君枝と遊んでやる。銭湯へも連れて行く。おさらいも監督する。夜、添寝してやる。君枝が寝入っても、婆さんは寝てしまわない。他吉の帰りを待っているの....
うつり香」より 著者:近松秋江
まま小倉に任せておいて私はまるで狂気のようになって家を飛び出した。 「ああ、七年添寝をしていたあの肉体は、もう知らぬ間に他の男の自由になっていたのだ。ああもう未....
ヴィヨンの妻」より 著者:太宰治
てしまいます。お医者に連れて行きたくっても、お金も何も無いのですから、私は坊やに添寝して、坊やの頭を黙って撫でてやっているより他は無いのでございます。 けれど....
」より 著者:太宰治
た。 「ほう、感心だのう。おれのうちの女房などは、晩げのめし食うとすぐに赤ん坊に添寝して、それっきりぐうぐう大鼾だ。夜なべもくそもありやしねえ。お前は、さすがに....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の間で仕度を済ましたお浜は、穏やかならぬ話の様子が心配なので、そっと郁太郎の傍に添寝《そいね》をしながら二人の話を立聞き――いや寝聞きです。 お浜はこうして次....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
実の産の母御でさえ、一旦この世を去られし上は――幻にも姿を見せ、乳を呑ませたく添寝もしたい――我が児最惜む心さえ、天上では恋となる、その忌憚で、御遠慮遊ばす。....
理想の女」より 著者:豊島与志雄
あった。秀子が珈琲をいれてくれないと、私の方から催促するのであった。彼女は子供に添寝をしていたが、「はい只今。」と答えたきり、中々立ち上ろうとしなかった。暫く待....
婦人と職業」より 著者:倉田百三
なくとも三人や、四人の子どもは産んでくれねばならぬ。そして一人の子どもの哺乳や、添寝や、夜泣きや、おしっこの始末や、おしめの洗濯でさえも実に睡眠不足と過労とにな....
南国太平記」より 著者:直木三十五
いのう――程なく、夜が明けよう」 「ほんに、寒い――」 月丸は、それが、自分を添寝に呼んでいるのだ、と思ったが 「明日は、又、歩かねばならぬから、早く眠るがよ....
怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
人を残して、いずれも割当てられた部屋部屋へ引下った。 お次の間には老女笹尾が御添寝を承わり、その又次の間が当番の腰元二人、綾女、縫女というのが紅絹の片で眼を押....