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添
「添〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
添の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
に、花も葉もひからびた、合歓《ねむ》を一枝立てたのは、おおかた高坏《たかつき》へ
添える色紙《しきし》の、心葉《こころば》をまねたものであろう。
それを見ると、....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
。が、近頃は「賑か」と云っても、どこか又窮屈にも違いなかった。それは唯玄鶴につき
添う甲野と云う看護婦の来ている為だった。尤も武夫は「甲野さん」がいても、ふざける....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ぎの音が間近く聞えて、卯《う》の花の白く仄《ほのめ》くのも一段と風情《ふぜい》を
添える所じゃ。もっともこれはその方づれに、望む予の方が、無理かも知れぬ。ついては....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
はこの庭の静寂に、何か日本《にほん》とは思われない、不可思議な魅力《みりょく》を
添えるようだった。
オルガンティノは寂しそうに、砂の赤い小径《こみち》を歩きな....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
《かい》があって、ある日城下に近い海岸を通りかかると、忍駕籠《しのびかご》につき
添うた二人の若党が、漁師たちを急がせて、舟を仕立てているのに遇《あ》った。やがて....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
ずに、お蓮の方を振り返った。
「誰か呼んでいるようですもの。」
お蓮は彼に寄り
添いながら、気味の悪そうな眼つきをしていた。
「呼んでいる?」
牧野は思わず足....
「野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
台の柱に、銅鑼《どら》が一つ下っている。そばに、手ごろな朱塗《しゅぬり》の棒まで
添えてあるから、これで叩くのかなと思っていると、まだ、それを手にしない中《うち》....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
が、のそのそと歩み寄ったのと顔を合せた。それは先日草山の喧嘩に、とうとう彼まで巻
添《まきぞ》えにした、あの牛飼《うしかい》の崇拝者であった。
「お早うございます....
「少年」より 著者:芥川竜之介
ある小娘《こむすめ》である。もとより彼女のこう云ったのは少しでも保吉の教育に力を
添《そ》えたいと思ったのであろう。彼もつうやの親切には感謝したいと思っている。が....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
よ》いのです。ご家蔵《かぞう》の諸宝《しょほう》もこの後《のち》は、一段と光彩を
添えることでしょう」
しかし王氏はこの言葉を聞いても、やはり顔の憂色《ゆうしょ....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
》ぎこんだ。そうしてそのまわりを小屏風《こびょうぶ》で囲んで、五人の御坊主を附き
添わせた上に、大広間詰の諸大名が、代る代る来て介抱《かいほう》した。中でも松平|....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
という宿賃を払ったのを覚えている。しかしその宿は清潔でもあり、食事も玉子焼などを
添えてあった。 たぶんまだ残雪の深い赤城山へ登った時であろう。西川はこごみかげ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
まりて、ようやくに志す浅草三間町へたどり着きたり。 足だまりの城として伯父より
添書ありしは、浅草三間町の深沢某なり。この人元よりの東京人にてある年越後へ稼ぎに....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
も送った。しかし、この筆記は大切の物なれば、御覧済みの上は御返しを願いたいと書き
添えてやった。この手紙も今に残っているそうであるが、公表されてはおらぬ。 デビ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
首飾りにしているように思われた。それから、すばらしい雄鶏さえも、仰向けになって、
添え料理の皿に横たわり、蹴爪を高く上げて、あたかも生きているあいだは武侠の精神の....