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清め
「清め〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
清めの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
子から蚊帳《かや》越しにうっとりと月をながめながら考えていた。葉子の心は月の光で
清められたかと見えた。倉地が自分を捨てて逃げ出すために書いた狂言が計らずその筋の....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
でぐいと拭き、あとを両手で絞りながら立った姿、ただこれ雪のようなのをかかる霊水で
清めた、こういう女の汗は薄紅《うすくれない》になって流れよう。
ちょいちょいと....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
って、お妙の真正面へ立って、も一つ肩を揉んで、手の汗を、ずぼんの横へ擦りつけて、
清めた気で、くの字|形に腕を出したは、短兵急に握手の積か、と見ると、揺がぬ黒髪に....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
が内陣から堂内を震動さして響き亘った。会衆は蠱惑されて聞き惚れていた。底の底から
清められ深められたクララの心は、露ばかりの愛のあらわれにも嵐のように感動した。花....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
で洗う、手の悪い魚売人には似たれども、その儀では決してない。姥殿、此方、一拭い、
清めた上で進ぜまいかの。 夫人 (煙管を手に支き、面正しく屹と視て)気遣いには及....
「錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
た一言。貴女がおっしゃって下さいまし。お位牌を抱けば本望です。(もとへ直す)手も
清めないで、失礼な、堪忍して下さいまし。心が乱れて不可ません。またお目にかかりま....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
蒼と面を背けた。 六 紫玉は待兼ねたように懐紙を重ねて、伯爵、を
清めながら、森の径へ行きましたか、坊主は、と訊いた。父も娘も、へい、と言って、大....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
噴出さず、ちろちろちろちろと銀の鈴の舞うように湧いています。不躾ですが、御手洗で
清めた指で触って見ました。冷い事、氷のようです。湧いて響くのが一粒ずつ、掌に玉を....
「古狢」より 著者:泉鏡花
、挨拶をしますわ。ちょっと参観に、何といいましょう、――見学に、ほほほ。」 掃
清めた広い土間に、惜いかな、火の気がなくて、ただ冷たい室だった。妙に、日の静寂間....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
りますが。」 三十一 「故郷では、未婚の女が、丑年の丑の日に、衣を
清め、身を
清め……」 唾をのんで聞いた客僧が、 「成程、」 と腕組みして、 ....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
いんだね。 御手洗は清くて冷い、すぐ洗えばだったけれども、神様の助けです。手も
清め、口もそそぐ。……あの手をいきなり突込んだらどのくらい人を損ったろう。――た....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
……何も功徳だ、すぐにも先生の許へ駆附けよう。――湯に行きたいな。」 「勿論よ。
清めてくれ。――婆や、湯に行く支度だ。婆や婆や。」 「ふええ。」 「あれだ、聞い....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
、揃ってこの演芸館へ練込んで、すなわち放楽の乱舞となるべき、仮装行列を待顔に、掃
清められた状のこのあたりは、軒提灯のつらなった中に、かえって不断より寂しかった。....
「多神教」より 著者:泉鏡花
のかい。 神職 さ、さ、それゆえにこそ、祈り奉るものは、身を払い、心を払い、払い
清めましての上に、正しき理、夜の道さえ明かなるよう、風も、病も、悪きをば払わせた....
「大切な雰囲気」より 著者:石井柏亭
黴菌を絶滅し、エナメルを塗り立てて、渋味、雅味、垢、古色、仙骨をアルコオルで洗い
清め、常に鋭く光沢を保たしめねばならない。断髪の女性にして二三日風邪で寝込むとそ....