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「清める〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

清めるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ぎゅっとぞうさもなく押えたやつを伝六に渡しておいて、すばやく手、口、ともにすすぎ清めると、懐紙を口にくわえながら、白布を解きほどきました。 同時に現われたのは....
去年」より 著者:伊藤左千夫
係りの人にたくしてここを出た。むろんすぐに家へは帰られないから、一週間ばかり体を清めるためその夜のうちに国府津まで行った。宿についても飲むも食うも気が進まず、新....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
ある。茶人に第一必要な条件の一は掃き、ふき清め、洗うことに関する知識である、払い清めるには術を要するから。金属細工はオランダの主婦のように無遠慮にやっきとなって....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
とは出来ないだろうか? そうだ罪からは遁がれられない。しかし多少でもその罪を洗い清めることは出来る。…… 「他でもない懺悔です」 有髪の僧はこう云って、庄三郎....
放浪の宿」より 著者:里村欣三
る刹那に、自分の歯でを、だらりと意気地なく吐き出していた。 水で手と短刀を洗い清めると、垂れさがって来る袖をまくり上げて、支那服が短刀の鋭い刃さきをずぶりと犬....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
洗った。……艶なる女優の心を得た池の面は、萌黄の薄絹のごとく波を伸べつつ拭って、清めるばかりに見えたのに、取って黒髪に挿そうとすると、ちっと離したくらいでは、耳....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
る初秋の風の冷たい触感は情なくも憂鬱だ。その悪性の汗を夕方の一|風呂によって洗い清める幸福はいい加減な恋愛よりは高雅な価値がある。 しかし汗もいわゆる軽く汗ば....
わが血を追ふ人々」より 著者:坂口安吾
秘めて戦場を走つてゐたし、ミサの讃美歌に恍惚と泣く大衆達はマリヤの顔に更に愁ひを清めるのだ。それは永遠のあこがれであつた。維新の折、キリスト教が復活して長崎の大....
雪の宿り」より 著者:神西清
れ出るかも知れん。…… 「そこで近頃はやりの下尅上はどうだ。これこそ腐れた政治を清める大妙薬だ。俺もしんからそう思う。自由だ、元気だ、溌剌としておる。障子を明け....
次郎物語」より 著者:下村湖人
や、それがいいんだ。そんなふうに自分を反省して、へり下る気持になることが、相手を清めることになるんだ。自分の力を信ずるといっても、自分が一段高いところに立って、....
決闘」より 著者:神西清
それでいて、ちっとも瘠せませんのよ」とナヂェージダは海水で塩辛くなった脣を舌先で清める一方、顔見知りの人々の挨拶に笑顔で応えながら言った、「昔から肥ってはおりま....
古事記」より 著者:太安万侶
の間に、誓約の行われることを語る。誓約の方法は、神祕に書かれているが、これは心を清めるための行事である。結末においてさまざまの異系統の祖先神が出現するのは、それ....
えぞおばけ列伝」より 著者:作者不詳
モシリシンナイサムというばけもの と息吹きをかけながら,手草でその体をたたき清める. (このおばけは“〔村の・ばけもの〕”ともいう.「シンナイ」は「別の」「....
はつ恋」より 著者:神西清
き飽きると、プーキシンを朗読させるのだった。それは、彼女の言い草に従えば、空気を清めるためだった。 次にルーシンは、皮肉屋で、露骨な毒舌をふるう医者だが、彼女....
山椒魚」より 著者:北大路魯山人
除いたら、塩でヌメヌメを拭い去り、一度水洗いして、次に塩を揉み込むようにして肉を清める。こうして再び水洗いして、三、四分ぐらいの厚さの切り身にする。汁は酒を加え....