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清元
「清元〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
清元の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
の中の連中《れんじゅう》は、皆、驚いた。一番、驚いたのは、あたまの上へ落ちられた
清元のお師匠さんである。平吉の体はお師匠さんのあたまの上から、海苔巻《のりまき》....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
目の角に洋食屋がありましょう。あの露路《ろじ》をはいった左側です。」
「じゃ君の
清元《きよもと》の御師匠さんの近所じゃないか?」
「ええ、まあそんな見当です。」....
「老年」より 著者:芥川竜之介
て、わき眼にも昔の夢を今に見かえしているように思われた。しぶいさびの中に、長唄や
清元にきく事の出来ないつやをかくした一中《いっちゅう》の唄と絃とは、幾年となくこ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ん》が入谷の寮へ出養生をしていると、そこへ直侍《なおざむらい》が忍んで来る。あの
清元の外題《げだい》はなんと云いましたっけね。そう、忍逢春雪解《しのびあうはるの....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
たので、小芳は恍惚したように、酒井の顔を視めると…… 「あれよ、ちょいと意気な、
清元の旨い、景気の可い、」 いいいい本を引返して、 「扱帯で、鏡に向った処は、....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
かかりあったことはなかった。その癖、内で一杯飲むと、阿母さんやお玉さんの三味線で
清元や端唄を歌ったりしていた。お玉さんが家じゅうで一番陽気な質らしく、近所の人を....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
が白い。心中にも女郎にも驚いた容子が見えぬ。もっともこのくらいな事を気にしては、
清元も、長唄も、文句だって読めなかろうし、早い話が芝居の軒も潜れまい。が、うっか....
「廿九日の牡丹餅」より 著者:岡本綺堂
女にしては力んだ眉をひそめて、団扇を片手に低い溜息をついたのは、浅草|金龍山下に
清元の師匠の御神燈をかけている
清元|延津弥であった。延津弥はことし二十七であるが....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
をからげながら田甫路を歩いた。 「どうせお旦那はお濡れなさいましたよ。どうしても
清元の出語りでね、役者がこちとらと違って、両方とも好う御座いまさア」と市助も跣足....
「子供役者の死」より 著者:岡本綺堂
おもての小粋な女で、今こそこんな田舎に引っ込んでいますが、生まれはやはり江戸で、
清元などをよく語ったそうです。 そんな風ですから、田の草を取っている在所の娘さ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
御存じじゃありませんか、歌の師匠ですよ。」 紋床は口を挟んで、 「ああ、中洲の
清元の。なるほどこいつあ大望だ、親の敵より大事に違えねえ、しかし飛んだ気になった....
「死神」より 著者:岡崎雪声
事がある、もしこの場合に、謡曲の好きな人なら、それを唸るとか、詩吟を口吟むとか、
清元をやるとか、何か気を紛らして、そんな満らぬ考を打消すと、結局夢中にそんな所も....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
葉亭の直話)。江戸の御家人にはこういう芸欲や道楽があって、大抵な無器用なものでも
清元や常磐津の一とくさり位は唄ったもんだ。二葉亭のお父さんも晩酌の膳に端唄の一つ....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
時から誰でも呑んで掛って人を人臭いとも思わなかった。その頃横山町に家内太夫という
清元のお師匠さんがあった。椿岳はこのお師匠さんに弟子入りして
清元の稽古を初めたが....
「六日月」より 著者:岩本素白
かな通りに流れて来る。何の三味線であろう、この辺りの空気からすると、無論長唄でも
清元でも常盤津でもいけない。といって、ただ一と口に地唄などといっては、当りまえ過....