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清泉
「清泉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
清泉の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一円本流行の害毒と其裏面談」より 著者:宮武外骨
鳥語水声を聴くのみ、加うるに秋涼の好季、其快適いうべからず、此処に淹留五日、脳を
清泉に洗い、想を巌上に練りつつ、起きて書き臥して書き、昨春以来癪に支《さ》えつつ....
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
八丁の登り口に近く、青い苔の生《む》した断崖からは、金性水《きんせいすい》と呼ぶ
清泉が滾々《こんこん》と瀑布《たき》のごとく谷間に流れ落ちている。これぞ八溝川の....
「忘れえぬ人々」より 著者:国木田独歩
軒から軒へと漂うて勇ましげな売り声や、かしましい鉄砧の音と雑ざって、別に一|道の
清泉が濁波の間を潜って流れるようなのを聞いていると、うれしそうな、浮き浮きした、....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
湧泉となり、悲痛の涙は滾々《こんこん》として千載に尽くることなく、今もなお一つの
清泉となって女神像下に流れ出《い》づるもの、即ちこのエジェリヤの涙泉であると伝え....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
「弓弦葉の御井」は既に固有名詞になっていただろうが、弓弦葉(ゆずり葉)の好い樹が
清泉のほとりにあったためにその名を得たので、これは、後出の、「山吹のたちよそひた....
「小春」より 著者:国木田独歩
母、導者、衛士たり。 ああわが最愛の友よ(妹ドラ嬢を指す)、汝今われと共にこの
清泉の岸に立つ、われは汝の声音中にわが昔日の心語を聞き、汝の驚喜して閃く所の眼光....
「空家」より 著者:宮崎湖処子
は高きにあらずといえども、満山隠然として喬木《きょうぼく》茂り、麓《ふもと》には
清泉|灑《そそ》げる、村の最奥の家一軒その趾《あと》に立ちて流れには唐碓《からう....
「憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
を修するに、閼迦の水を求めんとす、汝この山を守護すべしと云ったところが、たちまち
清泉湧き出でた。これ今の閼迦井である。すなわちその大蛇を祭って、今も閼迦井護法堂....
「西航日録」より 著者:井上円了
迎えらるるは、余が大いに感じたるところなり。村内を通過せる一帯の渓流は、諸方より
清泉のこれに合するありて、水源にさかのぼるに従い清澄鏡のごとくなるも、下流にくだ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
イルに過ぎざる小島なれども、港湾の比較的深くして巨舶をつなぐに適すると、渓谷間に
清泉の湧出するありて飲用水を有するとによりて、ここに人の輻湊するに至り、自然に小....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
侯中、最も出色の人物である。 忠利の歿後、沢庵は彼を追懐して、 胸襟雪月、心裡
清泉、好事風流、出、有徳気象、仰弥高鑽弥堅 と、最大級にその高風を讃えている。....