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清流
「清流〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
清流の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「交尾」より 著者:梶井基次郎
彼は幸福に雌の足下へ到《いた》り着いた。それから彼らは交尾した。爽《さわ》やかな
清流のなかで。――しかし少なくとも彼らの痴情の美しさは水を渡るときの可憐さに如《....
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
と、行人は、市九郎の姿を指しながら嗤った。 が、市九郎は屈しなかった。山国川の
清流に沐浴して、観世音菩薩を祈りながら、渾身の力を籠めて第一の槌を下した。 そ....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
とはなかったから、多鶴子は彼女自身の表現を借りていえば、豹一と「遊ぶことに小川の
清流のような気持」を味わっていた。つまり、矢野の男くささを忘れるためには、豹一の....
「運命」より 著者:幸田露伴
り、本雅失里(Benyashili)阿魯台(Altai)等と戦いて勝ち、擒狐山、
清流泉の二処に銘を勒して還りたもう。 九年春、白龍庵|有司の毀つところとなる。....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
気の中に眼鼻も何もない黒いものが、むくむくと蠢めいている。 白樺の森も、梓川の
清流も、眼に入らばこそ――足許が少しでも、物色の出来るうちにと、ひたすら路を貪っ....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
んだ。 その間に収録テープは、どんどんくりだされていた。脳波は、泉から流れ出す
清流《せいりゅう》のように空間に輻射《ふくしゃ》されていたのだ。 それを気に留....
「足のない男と首のない男」より 著者:坂口安吾
あつて、そこのフランス神父は友達で先日も会つて何についてどんな話をしてきたなどゝ
清流の流れるごとく語りだすから、それはありがたい、さつそく神父に紹介してくれ、こ....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
た煙草に火をつけた。 私たちの目の前には、目のさめるような緑の山と、鮎のおどる
清流とがあった。 彼は寄り添うように私に並んで足を投げ出した。 「あなたは音楽....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
地眺望最も秀美、東は滄海漫々として、旭日の房総の山に掛るあり、南は玉川混々として
清流の富峰の雪に映ずるあり、西は海老取川を隔て云々、大層賞めて書いてある。 こ....
「ストリップ修学旅行」より 著者:小野佐世男
朗さで、少しも不潔感も不快感もちりっ葉ほども見えぬのは一体どうしたものか。むしろ
清流に遊ぶ人魚のたわむれるような心地よさが、みなぎっているのは、天心爛漫、童心に....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
はかなりの作り、檐端に近き小畠の大根は、立派に出来ている、東は宮川池に注ぐ一条の
清流。嘉門次は炉辺で火を焚きながら縄を綯うている、どうも登山の支度をしてはいない....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
を造れるかと思わるるばかり也。 その鬼神の楼閣に迎えられ、送られ、近く石狩川の
清流に接して、青葉茂れる木下路を行く心持、ああ何にか譬えん。加藤温泉とて、思いが....
「西航日録」より 著者:井上円了
ごとし。しかるにシンガポールに至り、はじめて本邦の山水に接するの思いをなす。ただ
清流に乏しきを遺憾とするのみ。ときにまた一作あり。 船泊南溟第一関、連檣林立幾湾....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
自然に秋色を帯び、林間の瓦壁、黄葉と相映ずるところ、大いに吟賞するに足る。 一帯
清流曲幾回、千涯秋影入異、黄葉林間瓦壁堆。 (帯のように清らかな流れが曲折し、高....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ったか。 青い青い空ではある。 汽車は駛る。 汽車は鉄橋にかかり、潺湲たる
清流の、やや浅い銀光の平面をその片側に、何かしら紫の陰影をひそませた、そして河原....