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清浄
「清浄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
清浄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
なさい、この玉やこの剣を。地獄《じごく》の炎《ほのお》に焼かれた物なら、こんなに
清浄ではいない筈です。さあ、もう呪文《じゅもん》なぞを唱えるのはおやめなさい。」....
「尼提」より 著者:芥川竜之介
にだい》はこう言う除糞人の一人である。舎衛城の中でも最も貧しい、同時に最も心身の
清浄《しょうじょう》に縁の遠い人々の一人である。
ある日の午後、尼提はいつもの....
「少年」より 著者:芥川竜之介
に少女は二千年|前《ぜん》の今月今日、ベツレヘムに生まれた赤児《あかご》のように
清浄無垢《しょうじょうむく》のものと信じられている。しかし彼の経験によれば、子供....
「星座」より 著者:有島武郎
うべき機会を……今までの無興味な学校の課業と、暗い淋しい心の苦悶の中に、ただ一つ
清浄無垢《せいじょうむく》な光を投げていた処女を根こそぎ取って園に与えるというこ....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
罪業と、悪徳との養成にあらざるなし。白糸の鉄拐はこれを天真に発して、きわめて純潔
清浄なるものなり。 渠は思うままにこの鉄拐を振り舞わして、天高く、地広く、この....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
てかつ美しき感情をもって語られた梁川の異常なる宗教的実験の報告を読んで、その遠神
清浄なる心境に対してかぎりなき希求憧憬《ききゅうどうけい》の情を走らせながらも、....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ということが出来るだろう。成程私は悪魔のように恥知らずではないが、又天使のように
清浄でもない。私は人間のように人間的だ。私の今のこの瞬間の誇りは、全力を挙げて何....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
ありながら、凡てのものが夢のように見る見る彼女から離れて行くのを感じた。無一物な
清浄な世界にクララの魂だけが唯一つ感激に震えて燃えていた。死を宣告される前のよう....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
が充分でないと、地上に人類の発生した径路がよくお判りにならぬと存じます。稀薄で、
清浄で、殆んど有るか無きかの、光の凝塊と申上げてよいようなお形態をお有ち遊ばされ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
善玉、悪玉の永遠の争闘の如き思想は、一時も早く排斥すべきである。同時に霊界を一の
清浄無垢の理想境と考える事も、亦飛んでもない迷妄である。霊界は現界と同じく、玉石....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
度辺りでは客に出す食物は、大抵木の葉に盛って捧げられる風習がある。つまり木の葉は
清浄なものとしてあるのだが、それらのことが柏餅を生み椿餅を生み、そして編笠餅や乃....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
と立った湯気も、如月の水を渡る朝風が誘ったので、霜が靡いたように見えた、精進腹、
清浄なものでしょう。北野のお宮。壬生の地蔵。尊かったり、寂しかったり。途中は新地....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
自分から欲いといったことはないのか。そうして一たびも枕をかわさぬ、豪いな! その
清浄な膚をもって、緋の紋綸子の、長襦袢で、高髷という、その艶麗な姿をもって、行燈....
「可愛い山」より 著者:石川欣一
中むだ話をして暮した。 次の朝は綺麗に霽れた。雨に洗われた山の空気は、まことに
清浄それ自身であった。Mさんはよろこんで、早速|草鞋をはいた。しかし一日の雨ごも....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
を忘れしめるほどの愉快を感ずるものである。幾春秋の雨露風雪に曝された大峰の頂上は
清浄な岩石を露出して、殆ど塵一つとどめない箇所を見出すところがある。多少の風が好....