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清涼
「清涼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
清涼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
じゅう》のみなぎったようなその顔を下目で快げにまじまじとながめやった。そして苦い
清涼剤でも飲んだように胸のつかえを透《す》かしていた。
やがて事務長が座を立つ....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
を癒すための、まことに爽やかな飲料でもあり、蒸し暑くなって来た気温を和げるための
清涼剤でもありました。 「やあ、とうとう降って来た。凄い大粒だ」 窓近くにいた....
「河明り」より 著者:岡本かの子
私との間には、いわば、睦まじさが平凡な眠りに墜ちて行くのを、強いて揺り起すための
清涼剤に使うものであったから、調子の弾むうちはなお二口三口、口争いを続けながら、....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
の一日の汗を行水に洗い流した後、ゆう飯の膳の上にならべられた冷奴の白い肌に一味の
清涼を感じたであろうことを思う時、今日ラッパを吹いて来る豆腐屋の声にも一種のなつ....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
一 日光掩蔽 地上
清涼 靉靆垂布 如可承攬 其雨普等 四方倶下 流樹無量 率土充洽 山川....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
、卓子の上におかれた。飲物のはいっている壜もきた。「水」だとか、「酒」だとか、「
清涼飲料」とかの、日本字が書きつけてあった。 「さあ、どうぞ召上ってください」 ....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
涸れ、人は喘ぐ時、一座の劇はさながら褥熱に対する氷のごとく、十万の市民に、一剤、
清涼の気を齎らして剰余あった。 膚の白さも雪なれば、瞳も露の涼しい中にも、拳っ....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
訝い。 何とも得知れぬ佳い薫が、露出の胸に冷りとする。や、これがために、若衆は
清涼剤を飲んだように気が変って、今まで傍目も触らずにいました蟇の虹を外して、フト....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
の火も消え漕ぎ去る船の波も平らに月の光り水にも空にも満ちて川風に音ある時となりて
清涼の気味滴る計りなり。人に怪しめられ巡査に咎められ懊悩としたる気分も洗い去りて....
「謡曲と画題」より 著者:上村松園
家に帰り、その歌を万葉集の草紙の中へ読人不知として書き加え、何食わぬ顔をして翌日
清涼殿の御歌合せの御会へのぞみました。 集まる人々には河内の躬恆、紀の貫之、右....
「謡曲仕舞など」より 著者:上村松園
ってもよし、海気に親しむといってもよし、家族づれで出かけていって、新鮮な空気と、
清涼な海水に触れてくることにしています。 ことしも松篁夫婦に子供づれで出かけま....
「山吹」より 著者:泉鏡花
えて、崩るるごとく腰を落し、半ば失心す。) 画家 (肩を抱く)ウイスキーです――
清涼剤に――一体、これはどうした事です。 人形使 (びくりびくりと蠢く。) 画家....
「清心庵」より 著者:泉鏡花
なお手だ、ようごす、つッこんで呑まっしゃいさ。」 俯向きざま掌に掬いてのみぬ。
清涼|掬すべし、この水の味はわれ心得たり。遊山の折々かの山寺の井戸の水試みたるに....
「西航日録」より 著者:井上円了
り。その地赤道に接すといえども、常に濃陰日光をとざし、ときに驟雨暑気を洗い、やや
清涼を覚ゆ。シャンハイ以西ここに至るまでの間、沿海の諸山、みな赤土を現出し、往々....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
熱の候にして、わが八月の暑気以上なり。昼間の温度は九十度に上るも、日没後は大いに
清涼を覚ゆ。副領事杉村恒造氏とともに電車に駕して市内を巡見し、公園に佇立して楽隊....