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「清濁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

清濁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
に喋っていた筈だ――と想い出すと、一徹者だった父も選挙の成績をよくするためには、清濁ばかりか、黒も白も一緒に呑んでしまうようになるのかと、不可解な気がした。それ....
国語音韻の変遷」より 著者:橋本進吉
漢語には、国語にないキャキュキョのごとき拗音が、ア行ヤ行ワ行以外の五十音の各行(清濁とも)にわたってあり、クヮ(kwa)ク※(kwi「帰」「貴」などの音)ク※(....
虞美人草」より 著者:夏目漱石
なまぐさ》き雨を浴びる。一人の世界を方寸に纏《まと》めたる団子《だんし》と、他の清濁を混じたる団子と、層々|相連《あいつらな》って千人に千個の実世界を活現する。....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
になるわけであって、表面上秩序を持たない一切のものが、同等の興味を強要するので、清濁合わせた乱雑が生活の現実として与えられざるを得ないからだ。之をそのまま捉えよ....
鵞鳥」より 著者:幸田露伴
徳川期にはなるほどすべてこういう調子の事が行われたのだなと暁って、今更ながら世の清濁の上に思を馳せて感悟した。 「有難うございました。」 と慄えた細い声で感謝し....
道化役」より 著者:豊島与志雄
かないものを持っていて、それが逆に、あらゆる男女関係を軽蔑させていた。要するに、清濁を超えた宙に浮んだ気持なのである。それからまた一方では、経済的にひどく窮迫し....
日本文化私観」より 著者:坂口安吾
あるのである。それは人工の極致、最大の豪奢ということであり、その軌道にある限りは清濁合せ呑むの概がある。城を築けば、途方もない大きな石を持ってくる。三十三間堂の....
鳶と柿と鶏」より 著者:豊島与志雄
い色艶があるものだということが、吉村の持論だった。顔の美醜や、肉附の多少や、声の清濁や、行儀作法、そういうものとは全く別な、何か自然的な女性的な柔かな香りとでも....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
アマノジャクは、片隅で晩酌をやるがよい。アマノジャクが居て悪いということもない。清濁黒白併存するのが自然である。 しかし、通人の旦那たるもの、大いに道を楽しみ....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
かけても人一倍、これが彼の真骨頭であった。恐れられ、憚られ、憎まれもした。とまれ清濁併せ飲むていの、大物であったことは疑いない。 「お前、聞いたろうな、あの唄を....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
した中間人種に見立て易いし、ササラ獅子舞いの楽譜に「マミムメモ」系の唇音に限って清濁撥音とも使用せられず、また濁撥音の使用量が全体的に甚だ少いというのは、たまた....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
マスを祝うのはケシカランなぞとヤボなことはいわない方がよい。すべて興隆する民族は清濁合せのむものであり、また清濁合せのみつつある時に興隆しているものである。 ....
議会見物」より 著者:佐藤垢石
、からだのどこかに国士の風があった。しかし、伜の武太夫にはその風は譲られてない。清濁合わせのむなどという概は、よそ国のことと考えているらしいのだ。政友会型じゃな....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
する感嘆は毫も減ずるものではない。が、有体にいうと沼南は度量海の如き大人格でも、清濁|併せ呑む大腹中でもなかった。それよりはむしろ小悪微罪に触れるさえ忍び得られ....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
と混じ、腐敗の宗教となる。もし、これを今日インドに伝わるものと比するときは、その清濁の別、判然知ることを得るなり。政教子曰く、その清きもの果たしてインド今日の仏....