清爽[語句情報] » 清爽

「清爽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

清爽の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
狂人は笑う」より 著者:夢野久作
迎え、二杯を啣んで月天子を顧みる。気宇|凜然として山河を凌銷し、万象|瑩然として清爽際涯を知らずと書物には書いてあります。 けれどもその間は、お茶の味をよくす....
石狩川」より 著者:本庄陸男
ぎ》には南部鉄瓶《なんぶてつびん》が吊《つ》りさがっていた。その左は、見れば心が清爽《せいそう》になるような銀色の白髪を、ほつれ毛もなく結いあげた相田清祐であっ....
旅愁」より 著者:横光利一
雪明りである。彼は日本の歴史の味わいに似たものをふと感じ、帰って来た郷のりりしい清爽さを身に沁み覚えて戸を閉めだ。彼は父の話した基経が何者であろうとももう同じこ....
蓄音機」より 著者:寺田寅彦
であった。大きな近眼鏡の中からは知恵のありそうな黒い目が光っていた。引きしまった清爽な背広服もすべての先生たちのよりも立派に見えた。 まず器械の歴史から、その....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
より品を備えて、尋常な姿容は調って、焼地に焦りつく影も、水で描いたように涼しくも清爽であった。 わずかに畳の縁ばかりの、日影を選んで辿るのも、人は目を※って、....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ものをさらりとすてて、又女学生になったような気分で、仕事考えているのも、なかなか清爽なところがあります。まあ、尤も、この冬どうしてあなたに暖いものをおきせしよう....
梅花の気品」より 著者:豊島与志雄
るがままに満ち足って、空疎を知らず、漲溢を知らず、恐るることなく、蔑むことなき、清爽たる気魄である。 それはまた、梅花の気魄である。霜雪の寒さを凌ぎ、自らの力....
田園の幻」より 著者:豊島与志雄
薄らいでも宜しい。闇夜の太鼓の怪しい遠音は再び蘇らないでも宜しい。投網の夜打ちの清爽な感覚は色褪せても宜しい。然し、そういう自然の雰囲気に対して、人間は如何に卑....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
につかみとった安定なのである。そしてミジンも感傷がないのは、この少女の身辺を益々清爽なものにしているのであった。 ただ一つ、この少女がムリをしていることはと云....
香魚の讃」より 著者:佐藤垢石
香魚の塩焙があったなら涼風おのずから涎の舌に湧くを覚えるであろう。清泊の肉、舌に清爽を呼び、特有の高き匂いは味覚に陶酔を添えるものである。 今年は、鮎が釣れた....
古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
シア的な偉大性と艶美とのみを取りいれた。そこに漢人特有の簡素化の気分が加わって、清爽と雄勁とを兼ねた古典的な芸術ができあがる。それが初唐の様式であった。 この....