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「清貧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

清貧の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
彼は昔の彼ならず」より 著者:太宰治
がありますねえ。」青扇はねちねちした調子で言いだした。「まったくだと思いますよ。清貧なんてあるものか。金があったらねえ。」 「どうしたのです。へんに搦《から》み....
業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
お父様勿体ないことを仰しゃって下さいますな」 庄「まア/\そんなことを云うな、清貧と云って清らかな貧乏は宜しいが、汚《けが》れた金を以《もっ》て金持と云われて....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
い。それは日本のいちばん狭い家よりも狭い。それにその建築に用いられている材料は、清貧を思わせるようにできている。しかしこれはすべて深遠な芸術的思慮の結果であって....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
奇怪な生活に一種の英雄澆望主義を覚えるようになります。また、一方身体的に云うと、清貧と貞潔の名に隠れた驚くべき苦業が、かえって被惨虐色情症的な肉感を誘発して来る....
工場細胞」より 著者:小林多喜二
い。――河田たちが、そんな金で遊んでいる証拠がちァんと入ってるんだ。――それでも清貧に甘んじるか……。 それ等が嘘であれ、本当であれ、彼が内心疑っていた事実を....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
いますまい。」と半蔵が言い出した。「わたしたちの衷情としては、今までどおりの簡素清貧に甘んじていていただきたかったけれど。」 「国学者には君、国学者の立場もあろ....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
都会に生活して群集と伍し、直接時代に触れなければならぬ。然るに文人に強うるに依然清貧なる隠者生活を以てし文人をして死したる思想の木乃伊たらしめんとする如き世間の....
帝銀事件を論ず」より 著者:坂口安吾
に範をたれるのも、その人格の高潔なる、まことに有難いことだけれど、しかし、政治は清貧を事とする無策なものでは困るのである。たとえば、さきに餓死した判事のごとき人....
学生と生活」より 著者:倉田百三
生活の物質的計画をきわめて困難な、不可能に近いものに考えさせるようになる。物質的清貧の中で精神的仕事に従うというようなことは夢にも考えられなくなる。一口にいえば....
インテリの感傷」より 著者:坂口安吾
は本来まちがっているのである。 共産党が今日文化人の一部を吸収しつゝあるのは、清貧、というようなセンチメンタリズムが主要なものゝように思われる。私は、本来、清....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
な奴が何百万円もするのだもの、この世に金の値打ほど不思議を働く物はないのさ。虎も清貧に甘んじて、みだりに富貴を望まないのが身の為だよ。かりそめにも金山を当てよう....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
の見識があって、その道では重んぜられている人だが、深くケンソンして弟子をとらず、清貧に甘んじ、それを知る人々には一そう奥ゆかしく見られておる。カメ女がそういう人....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
かった。が、その社会的位置に相応する堂々たる生活をしていたので、濁富でないまでも清貧を任ずるには余りブールジョア過ぎていた。それにもかかわらず、何かというと必要....
三人の訪問者」より 著者:島崎藤村
に忸れてはいけない。もっと私を尊敬してほしい。よく私に清いという言葉をつけて、『清貧』と私を呼んで呉れる人もあるが、ほんとうの私はそんな冷かなものでは無い。私は....
春水と三馬」より 著者:桑木厳翼
て居る。即ち有福者の触込みに莫大な謝金を目算して居たのが口先きばかりに終ったり、清貧に苦しむ住持に十王勧進の話をしたら其揚句には謝金どころかあべこべに第一の寄進....