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「清麗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

清麗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
無名作家の日記」より 著者:菊池寛
その上に、俺は京都そのものが気に入った。ことに今日、大学の前を通っていると、清麗な水が淙々《そうそう》たる音を立てて、流れ下っている小溝に、白河の山から流れ....
文士としての兆民先生」より 著者:幸徳秋水
。上無始に溯りて其以前に物あることなく、此宇内の最も貴重すべき古物をして常に鮮美清麗の新物たらしめ、下無終に延きて其以後の物有ること無からしむること是れ豈我儕日....
七宝の柱」より 著者:泉鏡花
紺紙金泥の一巻を半ば開いて捧げてある。見返しは金泥銀泥で、本経の図解を描く。……清麗巧緻にしてかつ神秘である。 いま此処に来てこの経を視るに、毛越寺の彼はあた....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ほほ、私たちだって、画師の永洗の絵を、絵で見るじゃありませんか。」 「あそうか、清麗|楚々とした、あの娘が、引抜くと鬼女になる。」 「戻橋だな、扇折の早百合とく....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
した最近の戦いにおいて、親切な救いの手を彼へ差し出したのは、彼女だったのである。清麗なグラチアは、新聞社会とはほとんど関係をもたなかった。しかし友へ尽くす場合に....
地虫」より 著者:小栗虫太郎
けであった。 その早苗は、どこか神経的な凝視的な影のある娘で、美しくはないが、清麗さにかけては万人に優るものがあった。 「ああ、また家宅捜索でございますの」 ....
太陽系統の滅亡」より 著者:木村小舟
る、否我地球は、さらにそれよりも近く、全く破滅に帰するのである! かの天に夜毎清麗なる光を恣にする月は、由来我地球の分身にして、しかも地球よりも早く死滅したる....
縁談」より 著者:佐藤垢石
風景が展開する。そして、磯からあまり遠くない沖で立派な鯛が釣れるのだ。私は、その清麗な眺めと爽快な鯛釣りに憧れて、毎年初夏の頃から外房州のある浜へ旅していた。 ....
香魚の讃」より 著者:佐藤垢石
ったように、老いたる流れ、多摩川も鮎に恵まれた。 三 奥多摩川の渓谷も、清麗である。今年も、江戸川や小和田湾で採れた稚鮎の放流で川は賑わう。豪壮な友釣り....
」より 著者:佐藤垢石
するのであろうか。 なんと静かな、親しみ深い風景であろう。南国の眺めは、旅心に清麗の情を添えてくれるのである。 三 午すこしまわった頃、汲江の奥の高知....
姫柚子の讃」より 著者:佐藤垢石
だしたのもある。しかし、藍色の鱗に不規則に雲形の斑点を浮かせ、翡翠の羽に見るあの清麗な光沢をだしたものが、至味とされている。 殊に、鰍の味と川の水温とに深い関....
赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
かり、路傍に薄く積もり、菜館、飯店の卓に迄舞いかかる何んとも云われない詩的にして清麗の趣きを見て、涙さしぐむていの愛着と詩情とを得、唐代の諸詩人いやいや支那一切....
層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
四葉塩釜など一面に生いて、足を入るるに忍びざる心地す。石原の処には、駒草孤生す。清麗にして可憐なる哉。これが高山植物の女王なるべしといえば、水姓氏|頷ずき、嘉助....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
悲しい時、いつも掌を合せる。観音は私達の生活の護りの母です。 観音のスマートで清麗な容姿を私達の生活に加えるだけでも、どれほど美感に恵まれた家庭生活となるか知....
洗いづくりの世界」より 著者:北大路魯山人
思う。わずかの氷水でやられるために、同じ洗うにもせせこましくて、且つ出来上がりも清麗でない。この洗いづくりは、なんと言っても井戸の水が一等である。井戸の水さえ良....