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「渇仰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

渇仰の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
ないような顔をしてすましている。これは専念に当来《とうらい》の浄土《じょうど》を渇仰《かつぎょう》すべき僧侶《そうりょ》の身で、鼻の心配をするのが悪いと思ったか....
神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
にちれん》と一しょに、沙羅双樹《さらそうじゅ》の花の陰も歩いています。彼等が随喜渇仰《ずいきかつごう》した仏《ほとけ》は、円光のある黒人《こくじん》ではありませ....
高野聖」より 著者:泉鏡花
て来た時分には、薬師様が人助けに先生様の内《うち》へ生れてござったというて、信心渇仰《しんじんかつごう》の善男善女《ぜんなんぜんにょ》? 病男病女が我も我もと詰....
婦系図」より 著者:泉鏡花
の相談をするのもある。飽かず、倦まず、撓まないで、客に接して、いずれもをして随喜渇仰せしむる妙を得ていて、加うるにその目がまた古今の能弁であることは、ここに一目....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
というものにも指を染めて見たのだ。お前が知るであろう通りに、お前の個性なる私は、渇仰的という点、即ち生長の欲求を烈しく抱いている点では、宗教的ということが出来る....
クララの出家」より 著者:有島武郎
。クララは第一の世界に生い立って栄耀栄華を極むべき身分にあった。その世界に何故|渇仰の眼を向け出したか、クララ自身も分らなかったが、当時ペルジヤの町に対して勝利....
食魔」より 著者:岡本かの子
垣の主人もその一人であった。このアメリカ帰りの料理人は、妙に芸術や芸術家の生活に渇仰をもっていて、店の監督の暇には油画を描いていた。寝泊りする自分の室は画室のよ....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
雨であった。―― 雨を得た市民が、白身に破法衣した女優の芸の徳に対する新たなる渇仰の光景が見せたい。 大正九(一九二〇)年一月....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
、 「お上人様、御殊勝にござります、御殊勝にござります。難有や、」 と浅からず渇仰して、 「本家が村一番の大長者じゃと云えば、申憎い事ながら、どこを宿ともお定....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
此 以諸神通力 令顛倒衆生 雖近而不見 衆見我滅度 広供養舎利 咸皆懐恋慕 而生渇仰心……」 白髪に尊き燈火の星、観音、そこにおはします。……駈寄って、はっと....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
おそらくお前の眼を怖れるのは臆病者ばかりで、勇者の胸には却って争闘と勝利に対する渇仰を呼び起こさせるであろう。その時にはお前は恩賞にあずかって、死刑は赦されるで....
取返し物語」より 著者:岡本かの子
、忝なし、源右衛門。源兵衛。(合掌しつつ和歌を口ずさむ) あひがたき教へを受けて渇仰の、 かうべはこゝに残りこそすれ』 (衆僧経の諷誦の声にて、舞台一同合掌礼拝。) ――幕――....
母と娘」より 著者:岡本かの子
かったので此の募集に自分の将来への活路を見出したように喜んでしまった。全英女子の渇仰の的、アーミー・ジョンソンのように、女でありながら英国陸軍士官に列せられる光....
雪柳」より 著者:泉鏡花
々たる熔岩が艾の形に変じた、といいます。 ちょっとどうも驚かされた。かねて信心渇仰の大、大師、弘法様が幻に影向あった。灸点の法を、その以心伝教で会得した。一念....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ありますけれども、なおその上に、太子さまの仏教に対する御理解の深さに対して人々は渇仰するのであります。御理解の深さというよりは独創の御卓見と言った方が当っている....