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済度
「済度〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
済度の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
た物を買っても、すぐに暴利を貪ろうとする。実に懦弱で欲張り根性の突張った奴等ほど
済度《さいど》し難い者はないのだ。 (六)髯《ひげ》将軍の一喝 一寸《....
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
苦艱《くげん》を受けておらねばならぬぞよ。それよりも、仏道に帰依《きえ》し、衆生
済度《しゅじょうさいど》のために、身命を捨てて人々を救うと共に、汝自身を救うのが....
「春昼」より 著者:泉鏡花
。 対手は老朽ちたものだけで、年紀の少い、今の学校生活でもしたものには、とても
済度はむずかしい、今さら、観音でもあるまいと言うようなお考えだから不可んのです。....
「古狢」より 著者:泉鏡花
十歳の、竜女の、深甚微妙なる聴問には弱った。要品を読誦する程度の智識では、説教も
済度も覚束ない。 「いずれ、それは……その、如是我聞という処ですがね。と時に、見....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
て三界宿なし、一泊御報謝に預る気で参ったわけで。なかなか家つきの幽霊、祟、物怪を
済度しようなどという道徳思いも寄らず。実は入道|名さえ持ちません。手前勝手、申訳....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
。 ともすると、ここへ、痩枯れた坊主の易者が出るが、その者は、何となく、幽霊を
済度しそうな、怪しい、そして頼母しい、呪文を唱える、堅固な行者のような風采を持っ....
「取返し物語」より 著者:岡本かの子
力ではあるなあ。この上は源兵衛に続いてわが身も一しお、老いの山坂|厭いなく、衆生
済度に馳せ向わん。有難し、忝なし、源右衛門。源兵衛。(合掌しつつ和歌を口ずさむ)....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
業半ばにして死ぬことになるんだ。こんどはわかったろう。……まだわからないのか……
済度しがたい奴だなあ。じゃ青島、実物でやって見せるよりしかたがない、あれを持ち込....
「棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
邪念が清められる……といった絵こそ私の願うところのものである。 芸術を以て人を
済度する。 これくらいの自負を画家は持つべきである。 よい人間でなければよい....
「間人考」より 著者:喜田貞吉
なかった。所謂非人法師・散所法師となったのである。空也上人はこれら下層の落伍者を
済度して職業を授け、傍ら托鉢に生活せしめた。所謂鉢叩きである。彼らは往々竹細工に....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
るような事をしてはならず、もはや君は仏教の修行も大分に出来て居るし、これから衆生
済度を為なくちゃあならぬ。殊に今日本の宗教社会に人物のない時にわざわざ死にに行く....
「特殊部落と寺院」より 著者:喜田貞吉
公然大びらに行う様になった程の一向宗徒の雅量を以てして、始めてよくこの肉食の徒を
済度することが出来たので、これは彼らにとってまことに幸福な事であった。されば現在....
「旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
漁魚者にまでも、親近することが禁ぜられたのである。したがって彼らは、古えは仏者の
済度の手から漏れて、その妙味を味わうことなく、太古以来の祖先の遺風をそのままに継....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
ることは、いかに一方で排斥されても実際やむをえぬ次第であった。 仏法は本来衆生
済度の宗旨である。したがって肉食者なりとてこれを疎外する筈はなく、ひとしく慈悲の....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
の本領とするところであらねばならぬ。名僧知識が深山幽谷を跋渉して、魑魅魍魎の徒を
済度し、山人猟夫の輩を教化したが如き噺は少からず伝わっている。いわんや優婆塞や自....