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渉
「渉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
渉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
《しゅうと》よりも寧《むし》ろお鈴の思惑を考え、半月形の窓越しに熱心に事務員と交
渉した。
「実は手遅れになった病人だしするから、せめて火葬にする時だけは一等にし....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
い。
彼は不快な眼をあげて、両側の町家を眺めた。町家のものは、彼の気分とは没交
渉に、皆その日の生計を励んでいる。だから「諸国|銘葉《めいよう》」の柿色の暖簾《....
「母」より 著者:芥川竜之介
える肩、濡れた睫毛《まつげ》、――男はそれらを見守りながら、現在の気もちとは没交
渉に、一瞬間妻の美しさを感じた。
「ですけれども、――この部屋は嫌《いや》なんで....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
囃《はや》しと桜の釣枝《つりえだ》との世界にいながら、心は全然そう云うものと没交
渉な、忌《いま》わしい色彩を帯びた想像に苦しめられていたのです。ですから中幕《な....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
はこの欲望を美しくした、感傷的な心もちに過ぎなかった。それが証拠には、袈裟との交
渉が絶えたその後の三年間、成程《なるほど》己はあの女の事を忘れずにいたにちがいな....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
、頓狂な声を出すものもあった。しかし実戦に臨んで来た牧野は、そう云う連中とは没交
渉に、ただにやにやと笑っていた。
「戦争もあの通りだと、楽《らく》なもんだが、―....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
。」
梯子の下に立った洋一は、神山と一しょに電話帳を見ながら、彼や叔母とは没交
渉な、平日と変らない店の空気に、軽い反感のようなものを感じない訳には行かなかった....
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
重苦しい感銘を残していた。
けれどもプラットフォオムの人々は彼の気もちとは没交
渉にいずれも、幸福らしい顔をしていた。保吉はそれにも苛立《いらだ》たしさを感じた....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
まれ》ではなかった。
その内に偉大な山々も、谷川を隔てた森林も、おいおい彼と交
渉のない、死んだ自然に変って行った。彼は朝夕《あさゆう》静寂な谷間の空気を呼吸し....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
いては我々の歯痛ではないか? 勿論《もちろん》我我の歯痛などは世界の歴史には没交
渉であろう。しかしこう云う自己欺瞞は民心を知りたがる政治家にも、敵状を知りたがる....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
あいだ》に、翁は人を張氏に遣《つか》わして、秋山図を譲ってもらいたいと、何度も交
渉してみました。が、張氏はどうしても、翁の相談に応じません。あの顔色《かおいろ》....
「樗牛の事」より 著者:芥川竜之介
こには、いやみや涙があった。いや、詠歎《えいたん》そのものさえも、すでに時代と交
渉がなくなっていたと言ってもさしつかえない。が、それにもかかわらず、あの「わが袖....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
二つの疑問に対して、何等の手がかりをも得ずに、空しく東西の古文書《こもんじょ》を
渉猟《しょうりょう》していた。が、「さまよえる猶太人」を取扱った文献の数は、非常....
「夏目先生と滝田さん」より 著者:芥川竜之介
峰、三宅雄二郎の諸氏からずっと下って僕等よりもっと年の若い人にまで原稿を通じて交
渉があって、色々の作家の逸話を知っていられるので、もし今後中央公論の編輯を誰かに....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
じめた。歌の先生としての資格を利用して、彼はその邸に足しげく訪れた。親の面倒な干
渉はとかく恋人たちの道のつまずきの石になるものだが、彼はそれで心配することは何も....