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「渋皮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

渋皮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:ゴーゴリニコライ
家はどの辺かと訊きさえすれば、誰でも教えてくれるからね。」そして相手が、ちょっと渋皮の剥けた女ででもあれば、その上に内証の用事を言いつけてから、「ね、好い女《こ....
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
としては「甘味」を考えても差支ないと信ずる。渋茶、甘茶、渋糟《しぶかす》、甘糟、渋皮、甘皮などの反対語の存在も、この対立関係を裏書する。しからば、これらの対立意....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
が、おさんのゆくえは遂に知れなかった。おさんはことし十六で、色の小白い、いわゆる渋皮の剥《む》けた娘であるから、昼間から付け狙っていて拐引《かどわか》したのであ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
るものです。ところが伊之助には坂井屋のお糸という女が付いている。お糸は年も若し、渋皮のむけた女ですから、お此は何とかしてこれを遠ざけて、男を自分ひとりの物にしよ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
なる」 「子供のような顔をしていたが、もう十九か二十歳でしょうよ。まあ、ちょいと渋皮の剥けたほうでね」 それが普通の死でないことは半七にもすぐに覚られた。かれ....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
!」 「扉を、し、め、ろッ」 そろそろ、空気は険悪になって来た。 片隅では、渋皮の剥けた娘をつれた母親が眉を釣りあげて怒っていた。 「あなた、女連れだと思っ....
山の神殺人」より 著者:坂口安吾
さんか。なんの用さ?」 三十三四の女。後家のヒサというカツギ屋である。ちょッと渋皮のむけた女。なにかと噂のたえない人物である。 「不二男が来てるだろう」 「来....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
見廻りに来てここで食事をするうち、ここの内儀に目をつけた。四十ぐらいの、ちょッと渋皮はむけているが、外見だけ鉄火めいてポンポン言いたがる頭の夥しく悪い女だ。善良....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
燈台元くらし、神楽坂で商家の嫁になっている二十五のツネという女を訪ねた。ちょッと渋皮のむけた女であった。 「私は新聞を見て、さてはと思っていました」 と、今ま....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
火事だろうと泥棒だろうと無関心という落ちつき方、たった一人、ハマ子というちょッと渋皮のむけて小股のきれあがった小娘の女中が、ニヤニヤと、主家の騒動がタノシミらし....
人生案内」より 著者:坂口安吾
那ソバも全盛時代で、お竹にしてもこの人ならと当時は思ったのである。お竹はちょッと渋皮のむけた女だ。虎二郎とは十も年がちがってまだ二十八。ちょッとつくれば相当見ら....
剣侠」より 著者:国枝史郎
、上尾宿からは茶屋女の、気の利いたところを幾人か呼び、酒肴給仕に従わせ、村からも渋皮の剥けた娘――村嬢の美いところを幾人か連れて来、酒宴の席へ侍らせたり、これも....
二十一」より 著者:坂口安吾
勇ましく帰省したのに、丁度家には親戚の娘が来ていて、この娘に附き添ってきた女中が渋皮のむけた女で淫奔名題のしたたか者であった。僕にナガシメを送り、僕が勉強――と....
犯人」より 著者:坂口安吾
肱に両手をかけて、身を起していた。 そして彼はサヨの姿を思いだしていた。サヨは渋皮のむけた女であった。不潔ながらも、変に色ッぽかった。彼女はたしかに彼に支払い....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
いますと、「私は目で見ないで、勘でするのだから」と、なるほど上手になさいます。「渋皮はそっちで剥いて、御飯に焚ておくれ」と御機嫌です。 その間にも、よく鼻をお....