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「減らす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

減らすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
甲板《かんぱん》を単調にごし/\ごし/\とこする音が、時というものをゆるゆるすり減らすやすりのように日がな日ねもす聞こえていた。 葉子は早く早くここを切り上げ....
吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
ろうが、こういうことに慣例を重んじないということがあるか。馳走費をたった七百両に減らすし、わしに慣例の金子さえ持って来ん。こういうこと、主人が何といおうと、家の....
夫婦善哉」より 著者:織田作之助
かざ》っておけぬから、辛い気持で捨てた。毎日、捨てる分が多かった。といって品物を減らすと店が貧相になるので、そうも行かず、巧く捌《は》けないと焦《あせ》りが出た....
幽霊妻」より 著者:大阪圭吉
あとから奥様の御実家の旦那様から伺ったんでございますが、なんでも下駄の内側を擦り減らすのは角力取りに多いので、それは角力取りの一番力のはいるところが、両足の拇指....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
「皮膚色素の移行」の研究である。たとえば、果実を主食とする黒人にたいし、その量を減らすと皮膚の色が淡くなる。また淡黒色のホッテントットに常食の乳を減らすと、その....
わが町」より 著者:織田作之助
。店へ飾って置けぬから、辛い気持で捨てた。毎日捨てる分が多かった。といって品物を減らすと店が貧相になるので、仕入れを少なくするわけにも行かず、巧く捌けないと焦り....
ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
力はなくなる心配はありません。しかしやがて、人間が発明するであろうところの重力を減らす装置を、うんと使いすぎると、あのような大椿事《だいちんじ》がもちあがるでし....
家なき子」より 著者:楠山正雄
ぼくには効き目がないのをみて、ほかのしかたを考えた。それは毎晩ぼくの晩飯のいもを減らすのだ。きさまの皮はいくらひっぱたいても平気で固いが、胃ぶくろはひもじいだろ....
親ごころ」より 著者:秋田滋
じ椅子に腰をかけ、古い石の柱に倚りかかって絶えず背中でそれをこすっては、柱をすり減らすのだった。そして、教会へ這入って来る人の顔を一つ残らずじいッと視つめていた....
荒蕪地」より 著者:犬田卯
米がとれたかとか、たといどんなに手ッ張ったにせよ、俺のかえるまで、作り田は決して減らすなとか、あの畑へは何と何を播けとか、そんなことまで細かに、よく忘れないでい....
」より 著者:犬田卯
たとい月十五円にせよ、働いて入れてもらわなければ、家が立ち行かなかった。食う口を減らすと同時に十五円の入金――それが一先ず勇の叔父のつとめていた会社へ当人を出し....
科学的研究と探偵小説」より 著者:小酒井不木
るが、黴菌のことを知らない読者は本当にして面白く読むが、かかる小説はどうも興味を減らす虞がある。いっそ科学の発達しない時代のことならそのつもりで読むから面白い。....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
身代は先代が作ったので、椿岳は天下の伊藤八兵衛の幕僚であっても、身代を作るよりは減らす方が上手で、養家の身代を少しも伸ばさなかったから、こういう破目となると自然....
審判」より 著者:カフカフランツ
依頼人を失うことももともとたいしたことではないはずだ。そのうえ、病身だし、仕事を減らすことを自分でも考えたほうがよいのだ。それにもかかわらずKのことをこんなに引....
変身」より 著者:カフカフランツ
用心と倹約とをよろこんだ。ほんとうはこの余分な金で社長に対する父親の負債をもっと減らすことができ、この地位から離れることができる日もずっと近くなったことだろうが....