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減却
「減却〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
減却の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
ある。しかし、それにも関らず、彼の心からは、今までの春の温《ぬく》もりが、幾分か
減却したような感じがあった。
事実を云えば、その時の彼は、単に自分たちのした事....
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
つつある――活溌《かっぱつ》なる酸素が地上の固形物と抱合《ほうごう》してしだいに
減却するならば、炭素が植物に吸収せられて黒い石炭層に運び去らるるならば、月球《げ....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
るうえにおいて、売薬ほどの効能もなかった。三四郎の自信はこの驚きとともに四割がた
減却した。不愉快でたまらない。 この劇烈な活動そのものがとりもなおさず現実世界....
「アインシュタイン」より 著者:寺田寅彦
は世界平和の渇望者である。しかしその平和を得るためには必ずしも異種の民族の特徴を
減却しなくてもいいという考えだそうである。ユダヤ民族を集合して国土を立てようとい....
「郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
一層奇警に、しかも効果的に慣用している。一例として 桜狩《さくらがり》美人の腹や
減却す 人間に鶯《うぐいす》鳴くや山桜 人里離れた深山の奥、春昼の光を浴びて、....
「俳人蕪村」より 著者:正岡子規
玉川に高野《かうや》の花や流れ去る 祇や鑑や髭に落花をひねりけり 桜狩美人の腹や
減却す 出《いづ》べくとして出ずなりぬ梅の宿 菜の花や月は東に日は西に 裏門の寺....