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減退
「減退〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
減退の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「若杉裁判長」より 著者:菊池寛
種ロマンチックな心持で、ジゴマ団の襲来を待っていました。すると、刑事たちがいい加
減退屈した頃に、爪先上りになった参詣道を、マントを着た一人の男が急ぎ足に上ってき....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
滅するのであるが、液体空気の温度では、その生活能力は四ヶ月たっても目に立つほどは
減退しない。このことは実に、極度な低温(諸太陽系間の宇宙空間においてはこの実験よ....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
、丹念にかの器械の嘴を突きたてては、ジジジーと止めの音をさせていった。僕はいい加
減退屈したころ彼はその器械を袋の中に収めた。 「もう済んだのかい」 「準備は済ん....
「臨終まで」より 著者:梶井久
何にしても眠れない。 二十三日、今日も朝から息苦しい。然し、顔や手の浮腫は漸々
減退して、殆んど平生に復しました。これと同時に、脚や足の甲がむくむくと浮腫みを増....
「黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
岳の雪渓の発掘を始めてから、以前にも増して、容態が悪くなった。極度の不眠と食欲の
減退で、痩せ方が更に甚しく、その焦燥した態度は正視に堪えないほどだった。いよいよ....
「大脳手術」より 著者:海野十三
った。私は急に病体となった。心も体も、日ましに衰弱していった。思考力が、目立って
減退し始めた。記憶も薄れて行く。こんなことでは、本来の自己の最後の財産である脳髄....
「「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
なってゆくようだ。 実際、今のところは死なないと云うだけだ。脳力、が暑さのため
減退してゆくと云うことは、なにより、お利口さんのハチロウをみれば分る。今では、日....
「仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
よ懐しいものに思われて来た。老人の容態が一歩悪化すると、喜助の食慾も一椀がところ
減退した。彼は科学者の教育をうけたに似ず、心の中で心あたりのある明神様だとか、観....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
頃もやはり三十八度八分の熱は午後に出ますので困っております。それに食欲がだんだん
減退しますので、心細くていけません。江馬様にお礼が申し上げたいのでございますが、....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
も知れない。一体に芸の柔かみというようなものは、需要供給ふたつながら近年著るしく
減退したらしいから、今わたしが書いているようなことも、現在では殆んど問題にならな....
「鰻の話」より 著者:北大路魯山人
とか「夏やせが防げる」とかいって、宣伝にいとまがない。 一般的に、食欲の著しく
減退しているこの時期に、うなぎがもてはやされるというのは、うなぎが特別扱いに価す....
「味覚馬鹿」より 著者:北大路魯山人
はめたまま、ひどいのになると、ご丁寧にも爪紅までしている。こんなのを見ると、食欲
減退である。それに料理研究家が揃いも揃って爺さん婆さんなので、テレビで大写しにさ....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
代(一貫一円として) このほか、幾億万円の損害は人体の浪費、美に対する鑑賞力の
減退によって持来らされているのであります。 それで、九九、八十一人の議員諸君に....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
があります。青年期から壮年期にかけて強く、少年期はまだ現れず、老齢になるに及んで
減退するものであります。この性欲の根本使命は、種の保存、子孫繁栄にあるようですか....
「特殊部落と細民部落・密集部落」より 著者:喜田貞吉
あったに相違ないが、その実許されたる権利は名義のみで、実際上社会の圧迫は為に多く
減退することなくして、かえって特権の全部と独占業の幾分とを奪わるるの結果となった....