»
渝
「渝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
渝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
むずかしいことではないとはっきり感じたのだった。それ以来清逸の自分に対する評価は
渝《かわ》ることがない。そしてそれに特別の誇りを感じないのもまた同じだった。この....
「ある心の風景」より 著者:梶井基次郎
な希望は深夜の空気を清らかに顫わせた。 六 窓からの風景はいつの夜も
渝《かわ》らなかった。喬にはどの夜もみな一つに思える。 しかしある夜、喬は暗《....
「薤露行」より 著者:夏目漱石
》の唇をぴりぴりと動かす。 「今日のみの縁とは? 墓に堰《せ》かるるあの世までも
渝《かわ》らじ」と男は黒き瞳《ひとみ》を返して女の顔を眤《じっ》と見る。 「され....
「ケーベル先生」より 著者:夏目漱石
ろう。かほどに多くの学生から尊敬される先生は、日本の学生に対して終始《しゅうし》
渝《かわ》らざる興味を抱《いだ》いて、十八年の長い間哲学の講義を続けている。先生....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
し翌日の午後駅へついてみると、葉子|姉妹や弟たちも出迎えていて、初めての時と別に
渝りはなかった。彼は再び例の離れの一室に落ちついた。瑠美子のほかに、ちょうど継母....
「新世帯」より 著者:徳田秋声
いた。殺風景な新開の町にも、年の瀬の波は押し寄せて、逆上せたような新吉の目の色が
渝っていた。お国はいつの間にか、この二、三日入浸りになっていた。奥のことは一切取....
「足迹」より 著者:徳田秋声
おかなかったことが、心に省みられたからでもあろうし、このごろ様子や心持のすっかり
渝った姪の身のうえを知るのも厭わしいように見えた。お庄も自分のことを言い出すどこ....
「黴」より 著者:徳田秋声
で来ると、雨がぽつりぽつり落ちて来た。何か話して歩いているうちに、ふと笹村の気が
渝って来た。 「お前は先へお帰り。」 笹村はずんずん行き出した。 「それじゃ蒲....
「爛」より 著者:徳田秋声
よ。あなたがあんまりちやほやするから、増長してしようがないんです。このごろ大変|
渝って来ましたよ。あなたが悪いんです。」 「けど、それはしかたがないよ。見込んで....
「弟子」より 著者:中島敦
》なことに、師の傍に在って己の才徳を磨こうとするのでさえもなかった。死に至るまで
渝《かわ》らなかった・極端《きょくたん》に求むる所の無い・純粋《じゅんすい》な敬....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
て、何をかしばらく一思案。それから、さらさらと笠の内側の一部分へ、 思君不見下
渝州 さらさらと認《したた》めて投げ出したものですから、その筆のあとを、青年....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
者に限りたる約束は更になしといへども、百姓の基本業が則ち農耕に存すること、万世|
渝《かは》ることあるべからざる也。 それ、如何《いか》に世態変化するとも、人は衣....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
など自らも思ひ人にもいひて節を折るべきに、さはなくてあくまでも道を守りてその節を
渝へず、父なる人も並々の武士にはあらで却りてこれを嬉しと思ひたり、アアこの父にし....
「蒼白い月」より 著者:徳田秋声
寂しいような気がするだけであった。もちろんその寂しい感じには、父や兄に対する私の
渝わることのできない純真な敬愛の情をも含めないわけにはいかなかった。それは単純な....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
、臆病な女だろう。
(著物を脱ぎつゝ歌ひ始む。)
「昔ツウレに王ありき。
盟
渝せぬ君にとて、
妹は黄金の杯を
遺してひとりみまかりぬ。
こよなき宝の杯を
....