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渡世
「渡世〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
渡世の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
た、北条屋弥三右衛門《ほうじょうややそうえもん》の本宅です。同じ渡海《とかい》を
渡世にしていても、北条屋は到底《とうてい》角倉《かどくら》などと肩を並べる事は出....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
っていると自慢らしく答えた。すると、八橋はにやりと笑った。 「ほかにもいろいろの
渡世《とせい》がありんしょう。喧嘩商売、よしなんし。あぶのうおざんす」 なるほ....
「心中浪華の春雨」より 著者:岡本綺堂
もって生まれた。母によく似たすなおな弱々しい心をもって生まれた。気のあらい大工の
渡世《とせい》には少しおとなし過ぎるとも思われたが、その弱々しいのがいよいよ親方....
「未来の地下戦車長」より 著者:海野十三
なさるものじゃありませんよ)(なあに、かまやしないよ、わしは、若いとき井戸掘りで
渡世《とせい》していたんだから)(だって、あまり名誉な仕事でもないわ)(そんなこ....
「一九五〇年の殺人」より 著者:海野十三
押せばいい。ウム、出たぞ出たぞ。テレビジョンに犯人が現れた。なアんだ。これあ同じ
渡世の競争相手のヤーロの奴じゃないか。オヤ真青になって、四十番街を歩いているぞ。....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
丹餅をくわせた姉さんなるものの、生死のあい手を考えて御覧なさい。相撲か、役者か、
渡世人か、いきな処で、こはだの鮨は、もう居ない。捻った処で、かりん糖売か、皆違う....
「売春婦リゼット」より 著者:岡本かの子
いぼれとただ呼ばれる老人は鋸を曲げながら弾いていろいろなメロディを出す一つの芸を
渡世として場末のキャフェを廻っていた。だが貰いはめったに無かった。 「もしおいぼ....
「露肆」より 著者:泉鏡花
の襟を恐る恐る引張りながら、 「阿母。」 などと敬意を表する。 商売|冥利、
渡世は出来るもの、商はするもので、五布ばかりの鬱金の風呂敷一枚の店に、襦袢の数々....
「一老人」より 著者:犬田卯
た。亭主に死に別れたこの女房には一人の子供があって、それはどこか他県の町に大工を
渡世としているとかいったが、たえて故郷へかえるような様子は見えなかったのだ。 ....
「錦紗」より 著者:犬田卯
能だった。占いをする人というのは渡りもので、十年ばかり前にこの村へ落ちつき、籠屋
渡世をしているのだが、本職の方よりは、家の方位を見てくれとか、子供が長病いをして....
「人狼」より 著者:岡本綺堂
度何とか相談して、今度こそはどうでもその狼めを退治しようと云うのだ。この村に狩人
渡世をしている者は、おれのほかに三人あるが、そのなかでもおれは浪人、以前は武士で....
「勘平の死」より 著者:岡本綺堂
亀吉 そうですよ。どこからお出でなすった。 十右衛 わたくしは芝の露月|町で金物
渡世をいたして居ります大和屋十右衛門と申す者で、親分さんにお目にかかりまして、少....
「迷信解」より 著者:井上円了
たずねけるに、一人を探り得たり。その者は窮貧の生活を営み、蜜十三|籠をやしないて
渡世をなしおれりとぞ。また、ある雑誌に出でたる説なるが、およそ世界の人類は一秒時....
「西航日録」より 著者:井上円了
といわざるべからず。要するに、勤倹の結果は富強となり、怠惰の結果は貧弱となるは、
渡世の常則にして、動かすべからざるものなり。ゆえに、わが邦人はこの原則を守りて、....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
ょいとごめんなすって……』 私はふすまをあけて両手両ひざをつき、見よう見まねの
渡世人の仁義をよそおい上目づかいにいざり寄った。 『まっぴらごめんなさっておくん....