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渡良瀬川
「渡良瀬川〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
渡良瀬川の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ふもれすく」より 著者:辻潤
ないことにあきたらず、エゴイストで冷淡だなどとなにかに書いたこともあったようだ。
渡良瀬川の鉱毒地に対する村民の執着――みすみす餓死を待ってその地に踏みとどまろう....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
欲望とがからみ合う間にも、体はある大きな力に引きずられるように先へ先へと進んだ。
渡良瀬川の利根川に合するあたりは、ひろびろとしてまことに阪東太郎の名にそむかぬほ....
「転機」より 著者:伊藤野枝
の沿岸の村なのであるが、その渡良瀬の水源が足尾の銅山地方にあるので、銅山の鉱毒が
渡良瀬川に流れ込んで、沿岸の土地に非常な被害を及ぼした事がある。それが問題となっ....
「霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
ら、いまにお瀧が彼方へ往くに相違ないと思って居る中に、次第/\に夜が更けて来る、
渡良瀬川の水音高く聞えるように成ると、我慢して起きて居たいが飲める口へ少し過した....
「桐生通信」より 著者:坂口安吾
その村々は一度バスで通ったので知っていた。桐生からバスで一時間半から二時間ぐらい
渡良瀬川をさかのぼったところだ。人は飛騨を山奥の国というが、飛騨だって車窓から見....
「純情狸」より 著者:佐藤垢石
林寺の近所の邑楽郡地方には、今でも盛んに出没している。殊に、内務省直轄で築造した
渡良瀬川の堤防には、狸の穴があちこちにあって、村の人は、しばしば狸汁に舌鼓をうっ....
「寒鮒」より 著者:佐藤垢石
く知っているところである。少し遠くはあるが、近年発見された場所で人気のあるのが、
渡良瀬川の新古河三国橋上下、新利根川下流幸田橋上下、水郷上の島、狢塚、戸指川など....
「水の遍路」より 著者:佐藤垢石
の平野の水には、蘆萩の間に葭切が鳴いて初夏の釣遊が忘れられぬ。上州と野州の国境で
渡良瀬川へ注ぐ桐生川の山女魚と、矢田川のはやも、我が故郷では特筆すべき釣り場であ....
「皇海山紀行」より 著者:木暮理太郎
草駅を出発した。相老で足尾線に乗り換え、原向で下車したのは午後四時近くであった。
渡良瀬川が少し増水して橋が流れ、近道は通れないとのことに本道を歩いて原に着いた。....
「知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
ければこの路を取る人も少からず。上州の新町にて汽車を下り、藤岡より鬼石にかかり、
渡良瀬川を渡りて秩父に入るの一路もまた小径にあらざれど、東京よりせんにはあまりに....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
て、父母のいる屋形の地、一族郎党のむらがり住む足利の町へ、もう一歩で入ろうとする
渡良瀬川を眼の前にしたときである。思いがけないものに彼は待たれた。――そこに屯し....
「随筆 私本太平記」より 著者:吉川英治
、栃木県足利地方の史蹟歩きをこころみた。まっ平らな両毛平野も、この辺まで来ると、
渡良瀬川をさかいに、平ノ将門以来の坂東の人煙が日光山脈に拠って散在し、赤松の小丘....