渦中[語句情報] »
渦中
「渦中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
渦中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
との間の確執《かくしつ》が、同じく『城』同人《どうじん》と云う関係上、藤沢もその
渦中へ捲きこんだのだろうと想像した。が、藤沢はそう思われる事を避けたいのか、いよ....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
の熱心を失った状態をもっていつまでも継続されている。そうしてすべてこれらの混乱の
渦中《かちゅう》にあって、今や我々の多くはその心内において自己分裂のいたましき悲....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
ます。戦争には老若男女全部、参加する。老若男女だけではない。山川草木全部、戦争の
渦中に入るのです。しかし女や子供まで全部が満州国やシベリヤ、または南洋に行って戦....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
ものという意味は、楽しむという意味に外ならなかった。自分は今まであまりに動き漂う
渦中に流浪し過ぎた。それで何ものをも纏って捉え得なかった。静かな固定した幸福こそ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
一六三二年十一月十六日。
瞬間検事と熊城は、自分ではどうにもならない眩惑の
渦中に捲き込まれてしまった。犯人の名――それはすなわち、この事件の緞帳が下される....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ほうが、私には宗教の慰藉などよりも大いなる慰藉になるので、一も二もなくその会話の
渦中に投じて、喋べったり、笑ったり、鏡のなかへ死骸のように青くゆがんで映った人の....
「石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
きわまる奇怪な事件が持ちあがった。そしてふとしたことから雄太郎君は、身を以てその
渦中に巻きこまれてしまったのだ。 それは蒸しかえるような真夏の或る日曜日のこと....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
カデミズム機関誌の発売日だけである。日本もフランスも共に病体であり、不安と混乱の
渦中にあり、ことに若きジェネレーションはもはや伝統というヴェールに包まれた既成の....
「私の文学」より 著者:織田作之助
自己を弁護するとは、即ち自己を主張することなのだ。 私の文学は、目下毀誉褒貶の
渦中にある。ほめられれば一応うれしいし、けなされれば一応面白くない。しかし一応で....
「「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
柱に縛りつけ、やはりさっきの粉を鼻へ詰めこむのである。やがて、死の瀬を流れてゆく
渦中の独木舟のなかで、三人は微動ぎもしなくなった。 水面下の島 それで....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
昧に入っているのであります。画壇の揉めごとも、対岸の火事を眺める気持がして、その
渦中には入れません。この境地に入るまでには、人生には雨があり風があり、沈むばかり....
「オシラ神に関する二三の臆説」より 著者:喜田貞吉
神などといったのと同様に、各自勝手な名称を呼んだもので、流行心理に囚えられてその
渦中に巻き込まれたものは、何が何やらわからぬながらに、その男女相対するところから....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
統一といったお家騒動の悲劇を演じてきた。私はその間ずっと書記長を通し、この歴史の
渦中に動いたのであるから思い出は多い。 二十二年片山社会党内閣が成立し、当時の....
「ひとりすまう」より 著者:織田作之助
なかろうか。 以上のことが、この話の主人公に分らなかったのは、恐らく彼が事件の
渦中にあり、しかも明日子を愛していたというその時の彼のフェミニズムの為ではなかっ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
将来、戦闘員の採用は恐らく義務より義勇に進むべく、戦争に当りては全国民が殺戮の
渦中に投入せらるべし。 三 国軍の編制は兵力の増加に従い逐次拡大せり。特に注目に....