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渦流
「渦流〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
渦流の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「職工と微笑」より 著者:松永延造
眼があるのさえ分るだろう。バタバタは同情の欠けた所に直ぐ起って来る一つの破壊的な
渦流なのさ。それは恐ろしい。人間がべルトやシャフトや電球のフィラメントやセルロイ....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
の時代にあり、旧学理すでに廃して新学理いまだ興らず、この間において文学社会も世潮
渦流の中に彷徨す。幕府の時代にありて早くすでに蘭学を修め、一転して英に入り仏に入....
「とんびと油揚」より 著者:寺田寅彦
の結果によると、この鳥が上空を滑翔するのは、晴天の日地面がようやく熱せられて上昇
渦流の始まる時刻から、午後その気流がやむころまでの間だということである。こうした....
「自然界の縞模様」より 著者:寺田寅彦
、いちばん手近なものとして気のつくのは、液の熱的対流によって生ずる週期的円筒形|
渦流である。ともかくもこの場合に著しい対流の起こることは確実であるので、それがそ....
「錯覚数題」より 著者:寺田寅彦
だいたいは簡単な剛体力学の原理ですべてが解釈される。しかしこの獅子のほうは複雑な
渦流が複雑な面に及ぼす力の問題を包んでいる。飛行機と突風との関係に似ていっそう複....
「メールストロムの旋渦」より 著者:佐々木直次郎
の滞潮を利用して、モスケー・ストロムの本海峡を横ぎって淵のずっと上手につき進み、
渦流がよそほどはげしくないオッテルホルムやサンドフレーゼンの近くへ下って行って、....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
い。その外に何一つ変ったことも起ってはいないからである。 もやもやとした雲霧の
渦流する中に、一点でも明るいところが示されたこと、そのことを空漠たる回想を辿って....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
取がきまった二十一日の夕方からそろそろ気配を見せていたが、あちらこちらに局部的な
渦流を簇生させながらだんだん大きな渦動になり、二十六日の朝ぐらいにはすこぶる優勢....
「地方の青年についての報告」より 著者:中井正一
昏冥には、行くものが帰るものであり、帰るものが行くものであるという、「西田さんの
渦流《ウィルペル》」(深田康算先生はそう呼んでいられたが)は恰好のゆりかごとなり....
「「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
がある。この“|〔Dabukku_〕”などもその一つ。直経百海里にもわたるこの大
渦流水域を称して、「海の水の漏れる穴」とはよくぞ呼んだりだ。 そこは、赤道無風....
「雨の上高地」より 著者:寺田寅彦
ぎとが新たな感覚をもって枕に迫って来る。 高い上空を吹いている烈風が峰に当って
渦流をつくる。その渦が時々|風陰のこの谷底に舞い降りて来るので、その度ごとにこう....